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ふらっとひとり旅
ふらっとひとり旅 (JUGEMレビュー »)
毎日新聞女性記者58名
2009年6月発売!毎日新聞で連載されていた旅の記事に、浦谷がイラストをつけました♪
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イラスト:浦谷さおり
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関西極楽さぬきうどん

関西のおいしいさぬきうどん屋めぐり
たらふく食べてください・讃松庵(さんしょうあん)
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    別「なんと『釜たけうどん』より量が多いんですよ」
    浦「はい!? たけちゃんところって、確か400〜500gありましたよね」
    別「たけちゃんが食べに来て、お腹がいっぱいになったと言っていました」
    浦「それはかなりのもんですね(笑)」

    駅そばの市場地下鉄海岸線に乗って中央市場前で降りる。昆布商店や業務用食材店、もやしの卸などが軒を並べているところを、ちょろちょろひやかしながら店へ向かった。
    浦「楽しいなぁ。市場ってなんでこう、心ひかれるんですかね」
    別「食に対する興味や欲求は、人間が持つ素晴らしい能力のひとつです。あ、ついでにナンプラー買ってもいいですか」
    浦「別府さんて、しょっちゅう通りがかりに調味料とか天かすとか買いますよね。人間が持つ素晴らしい能力に秀でていらっしゃる」
    別「最近食欲が落ちてきているので、スパイシーなタイ料理でも作ろうかと思って」
    浦「無理やり元のレベルに戻そうとせんでもええんとちゃいますか」


    讃松庵の外観オープン6年目、昔ながらの食堂風でいい具合に使い込んだ感じの店内。混みあった中、かっぽう着の奥さんがてきぱきと席を用意してくれた。

    別「ここは『しょうゆうどん(580円)』の大盛りを頼んで浦谷さんをびっくりさせたいところですが、なにぶん食欲が落ちているので食べきる自信がありません。普通盛りにしましょう」
    浦「別府さんをそこまで言わしめるとは!」
    別「今回紹介する店の中では最強です」



    讃松庵のしょうゆうどん一般店では大ぶりの鉢を器にして出す店がけっこうあるのだが、だいたい底の方に薄っぺらく上品に麺が盛られているものだ。それがここの『しょうゆうどん』ときたら、ドッカリたっぷり、器を買ったら思いのほか大きかったんでそれにあわせて盛りました! と言わんばかりに麺が入っているのだった。
    変り種メニューだからという理由で一緒に頼んだ『カツカレーうどん(900円)』は、じゅうぶん顔が洗えるくらいの表面積を誇る特大サイズの丼である。

    浦「すげー!! 軽く500gはありますね」
    別「大盛りになると壮観ですよ」
    浦「大将、大盛りだとどれくらいの量になるんですか?」大将「どれくらいかなぁ。わし手が大きいんですわ。この手でガバッと持ち上げて2〜3回、器からはみ出るくらいやね」
    浦「またええ加減な(笑)」
    大将「ま、普通の人はよう食べへんねぇ」


    讃松庵のカツカレーうどん普通盛りでも一見、平らげるのは厳しそうに思われたのだが、ひとくちすすって気持ちが変わった。みずみずしく適度な歯応えと粘りのある麺。太めなのに口の中でモソモソしない。この麺なら大丈夫! 食べられちゃいます!!

    浦「ぷっは〜、こりゃこりゃ。麺だけでおなかいっぱいにしても心地良いうどんですな」
    別「失敗した! 思ったより浦谷さんに食べられてしまいました。大盛りにしとけばよかった」
    浦「悪かったっすねぇ」
    | 兵庫でさぬきうどん | 13:07 | comments(0) | trackbacks(1) | - | - |
    名物おばちゃんに会いたい・ときわ
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      別「今日は会えるかなぁ」
      浦「誰にですか」
      別「82歳になる名物おばちゃんがいる店なんですが、最近店にあまりいないという情報もありまして」
      浦「おおっ、うどん屋のおばちゃんというと何よりのスパイスですからね! それはなんとしても会いたいっす!」


      ときわ外観三宮と元町のあいだ、路地を入ったところにある『ときわ』。食事時をはずれた3時頃、厨房に82歳らしき人はいなかった。ちょっとガッカリしながら席につくと、隣のテーブルに座っていたおばあさんがいきなり話しかけてくる。

      おばあさん「あんたら何頼む? おいしいでぇ。この店のダシはちょっと違うんや。羅臼の昆布とかつおでとっとってな、そらもう最高や」
      浦「へぇ〜。どれがおいしいですか?」
      おばあさん「なんでもおいしいがな。釜天な、『釜揚げ天ぷらうどん(1200円)』なんか抜群やでぇ。えび天にはしっかり身が入ってるしな。あ、ほら、『和風焼きうどん(950円)』は変わってるやろ? 和風ダシで味付けしたやつがあんかけになっとってな、おいしいでぇ」

      ときわの釜揚げ天ぷらうどん最初はただの常連客かと思ったが、勧め具合が詳しすぎるうえ、なにやらおばあさんからはおかきの匂いが漂ってくる。
      よく見たらテーブルの上におかきの入った缶と伝票、えんぴつが置いてあった。うむ、どうやらこの人が名物おばちゃんらしい。別府さんを見たらニヤリと笑ったので確実である。少し足を悪くされているので、席が空いているときは座っているのだろう。

      おばちゃん「おばちゃんなぁ、足悪いんやけどな。その代わり口だけは達者やでぇ。ところであんたらどこから来たん」
      浦「大阪と、京都です」
      おばちゃん「そら遠いとこから、うれしいなぁ! おおきに」

      おばちゃんは私たちがいるあいだに「うれしいなぁ!」と「おおきに」を各10回は口にしていた。このかわいい口グセを、ほんまにうれしそうに繰り返すのだ。
      別「こっちまで元気になりますよね。うどんがぐんぐんおいしくなる」
      浦「この店の一番のオススメは、うどんを差し置いて間違いなくおばちゃんです」


      ときわの和風あんかけうどんもっちりした平たい麺、ダシの味わいは関西風。けっこうさぬき度は低くなっているのだが、それもそのはず、今の大将(おばちゃんの息子さん)が店を始めたのは昭和51年なのだそうだ。
      大将「この場所に昭和43年から『ときわ』いう屋号のうどん店があって、そこでおばあちゃんがバイトしてたんです。その縁で僕も働かせてもらって、跡を継いだ形で始めたんですわ」
      浦「そんな古くから! あれ? そしたら『すずめ』より古いじゃないですか、別府さん」
      別「古くからある店は、さぬきを前面に出さずに手打ちうどんと言って営業してることが多いんです。そして関西人の口に合うようアレンジしてある。『ときわ』もそうですね」
      浦「ああ、なるほど」
      大将「僕は前の大将に麺の打ち方を教えてもろたんやけど、製法はさぬきですよ」
      浦「なにより、キュートなおばちゃんの存在がさぬきらしさ満点です」
      | 兵庫でさぬきうどん | 16:04 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
      空港セルフ
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        2006年、夏のある日。

        別「浦谷さん、神戸空港にはもう行きましたか」
        う「そうそう、開港したんですよね。まだ行ったことないですけど」

        たもん庵のマーク別「実はセルフのさぬきうどん店が入ってるんです。『たもん庵』というチェーン店なんですが」
        う「へえ〜」
        別「関西国際空港にも『ざ・U-don』というセルフがあります。私が思うに、あそこは日本で一番高いセルフです」
        う「そりゃ空港ですからねぇ。いかにも高そうですもん」
        別「神戸空港から関西国際空港間は直通の船が出ていて、なんと29分で着くんですよ!」
        う「はぁ、それがどうかしましたか」

        別「ぜひそれに乗って、関西を代表する2空港のセルフ食べ歩きをやりましょう!」


        たもん庵のぶっかけ飛行機に乗るわけでも離着陸を見に行くわけでもなく、ただうどんを食べるためだけに、高い交通費を払って高い空港セルフをはしごするというのだ。なんてバカバカしいアイデアなのだろうか。

        う「今までやったらそんな無駄なこと絶対嫌やったのに、楽しそうと思ってしまう自分がコワイ・・・・・・」

        一番安いかけうどんで『たもん庵』が390円、『ざ・U-don』は400円。そこにてんぷらやおにぎりをオプションで取っていくとすぐに800円くらいになってしまうが、一般店並みの高い料金も空港特有のスペシャルな空気に囲まれているせいで、なんとなく許せてしまう。それどころか、あまりに無意味なことをやっている自分に気分が高揚してきさえするのだ。

        う「淡々と過ごす日々の生活に少し疲れたとき、現実逃避したいときなどに一度お試しください」


        | 兵庫でさぬきうどん | 14:56 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
        小麦の味をかみしめる・小麦の実り(こむぎのみのり) 灘店
        0
          小麦の実りの外観
          別「見出しを考えるの、面倒くさくなってきたんでしょ」
          う「そんなことございません! じっくり練った結論です」
          別「その割りには安直ですねぇ・・・・・・」

          安直だろうと何だろうと、ここの麺(特にあったかいやつ)は店名どおりにちゃんと小麦の香りと味がするというのが一番の特徴なのだ。
          ひねりにひねった小気味よい見出しを散々考えた末、誠意を込めてこの見出しに落ち着いたのである。

          別「なんか嘘くさい・・・・・・」
          う「うるさいっ」



          小麦の実りの釜上げ“秋のおすすめ”と書かれていたから夏場はやっていないのかもしれない『釜上げ(550円)』は、実際のところ想像以上のおいしさだった。
          ふわぁと漂ってくる、えも言われぬ小麦の香りに絶妙のゆで加減と食感の麺、つけダシの塩分と甘みのバランス。
          それほど前面に出していないメニューなのにこの味はどうしたことだ。


          小麦の実りの味噌おでん
          ぶっかけや生醤油などの冷たい麺になると、ニュルッと粘りが出てグミっぽい噛み心地。えび天が2本も乗った『ぶっかけ天(900円)』のファンは多いし、もちろん冷たい麺もイケるのだが、個人的に『小麦の実り』の場合は温かい麺がすてきだと思う。2種類の味噌ダレでおでんを食べながらじっくり待っても、十分おつりが来るくらいの価値がある。



          ここは甲南店が1号店なのだが、現在は灘店に大将が常駐しているそうな。灘店は周辺にラーメン屋とうどん屋がひしめく麺密集地帯。この店がある場所も少し前までラーメン屋だった。

          小麦の実りの生醤油うどん
          う「私、実は数年前まで近所に住んでいました」
          別「え? ここもですか」
          う「うん、六甲の山手に」
          別「浦谷さんて、兵庫県の海沿い一帯で小さく引っ越ししまくってるんですね」
          う「そうそう、不必要にね、ってほっといてください!」



          | 兵庫でさぬきうどん | 13:03 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
          ワンうどん制(?)ライブハウス・な也
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            岡ちゃん「うちはワンうどん制とちゃいますよ(笑)うどんの注文は自由です」
            う「ほなやっぱりライブハウスなんですか」
            岡ちゃん「基本的にはうどん屋をやっているつもりです」


            な也の外観阪急王子公園駅から、地場感たっぷりの水道筋商店街を六甲方面に向かって10分くらい歩く。
            普段は商店街の中にある普通のうどん屋なのだが、ライブがある日は早めに営業が終わり、店の中にステージが出現する。自身もゴスペルを歌う岡ちゃんのネットワークで、関西では結構有名なアーティストが出演しているから、『うどんも食べられる変わったライブハウス』と認識している人も多いんじゃないだろうか。

            う「私、実際に見たことがないんですが」
            岡ちゃん「はいはい?」
            う「お客さんがうどんをすすりながらソウルやジャズのライブを観ている図って、絵的におかしくないですか」
            岡ちゃん「ちょっとええでしょ、まったり目で(笑)」


            ※イラスト:岡ちゃん(ゴスペルが似合いすぎ)



            な也の煮こみ定食もう10年以上も前の話になるが、学生のとき、このすぐ近所に2年間ほど住んでいたことがある。そのときは今の『な也』がある場所には、お菓子のコトブキと小さなうどん屋さんがあったはずだった。

            岡ちゃん「それ、どっちもうちが経営してたんですわ。お菓子は50年前から、うどん・蕎麦の店は30年以上前から
            う「うわっ、それやったら老舗ですやん。ライブハウスやのに(笑)」
            岡ちゃん「前はさぬきうどんじゃなかったんです。さぬきの麺でやろうと僕が始めたのが3年前で、ダシなんかは前の店のをちょっとアレンジしてます」

            そう言えば前の小さな店のときに何度か食べに来たことがあるが、「うどんにしますか、蕎麦にしますか」と聞かれていたような気がする。
            その頃はぶっかけうどんや生醤油うどんなんて知らなかったし、ダシがおいしいのが最優先だと思っていたし、うどん屋には大抵蕎麦もあるもんだと思っていた。

            別「要するに、どんなメニューだったかはっきり覚えていないわけですね」
            う「いや、おいしいうどん屋さんやなぁとは思ってましたよ。そんなもんですよ、学生やったんですから」
            別「私が香川のうどん屋データを集め始めたのはちょうどその頃です」
            う「別府さんと一緒にせんといてください(笑)」



            な也の天ぶっかけうどん『天ぶっかけうどん(850円)』と、すき焼き風の味付けをした温かいうどんにご飯がついた『煮こみ定食(700円)』を注文した。どっちも豪快な盛り付けで、しっかり量がある。
            ちょっと細めの麺は冷たくするとビカビカに輝き、ムニッと快感を覚える食感。
            ぶっかけダシはそのままだと醤油がたっているが、生玉子が乗って出てくるので、混ぜて食べるとまろやかになってちょうど良い。
            煮こみの方はまさしく関西の味、ホッとひと息つける優しい甘み。

            う「むふーっ、あの水道筋商店街でこんなうどんが食べられるようになっているとは!」
            別「ちょっと近所へ買い物に行った帰りにこのうどんが食べられたら、なんとも幸せですねぇ」



            ちなみに私も別府さんもここで初めて聞いた『うん六(550円)』は、温かいざるうどんのことである。関西では古くからそう呼ばれているのだそうだ。

            別「浦谷さん、前にあった店に来てたんだったら知ってるんじゃないんですか」
            う「覚えてません(キッパリ)」
            別「そんなもんですかねぇ・・・・・・」
            岡ちゃん「ちなみに僕たちは白ご飯のことを『しま』と呼びます」
            う「しま!? それも初めて聞きました。なんでですか」
            岡ちゃん「さあ(笑)昔からそう呼んでたから」

            納屋をイメージしてデザインしたというスタイリッシュな造りの店で、かつライブハウスでありながら、細かな部分のいたるところに老舗の片鱗を残している新古の妙が『な也』の魅力なのだ。


            | 兵庫でさぬきうどん | 14:41 | comments(7) | trackbacks(1) | - | - |
            尼崎で気炎をあげる・はるしん
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              はるしんの外観別「JR尼崎の駅近くでこの麺が食べられるなんて、ちょっとすごいでしょう」
              う「おや、これはこれは。久々の強面屈強麺じゃないですか!」

              コワモテクッキョウメン、である。
              小麦粉の存在感がずっしりコワモテな太麺は、いかにもクッキョウそうなのだ。ツヤはあっても「俺っちは硬派なんだぜ!」と言い切っている。

              別「硬派な人が“俺っち”とか“なんだぜ”とは言わないと思いますが」
              う「ツッコミ上手やなぁ、もう」
              もとい、「硬派な俺様に、皆の者ついて来い!」と言っている。
              別「・・・・・・もういいです、それで」
              う「あ、微妙でした? わはは」
              つまらんやり取りはこの辺で置いといて、この太さ、ムッチリとした切れ具合、かなり根性が入った麺だ。


              はるしんの生醤油大将のハルさんは会社員時代に香川で働いていたことがあり、関西に戻ってきてからこっちのうどんが食べられなくなってしまったらしい。
              55歳で脱サラした後、ほぼ自己流で“尼崎でも受け入れられるさぬきうどんの味”を追い求め、この入魂麺に関西風アレンジを加えたダシを合わせることにしたのだそうだ。

              ハルさん「麺のコシは釜揚げでわかるんですわ。そやから、釜揚げが旨くない店はあかん。氷水で冷やしたら大抵の麺は固くなってコシがあるように思えるけど、それは違うんです」
              別「釜揚げをメインに考えて作った麺だったのですね。なるほど」
              ハルさん「尼崎はさぬきうどんの店が少ないこともあって、まだまだ食べ方を知らへん人が多いから、まずはみんなにこの麺のおいしさを知ってもらわんとあかんのです」

              はるしんの冷たいきつね
              2玉まで同料金なのは、そんな理由からなのだそうだ。店のオフィシャルサイトではダシをとった後の昆布を使った『はるしん特製味付け昆布の作り方』というコーナーがあり、煮物にも使える『本返し』のレシピまで公開している。

              本当に兵庫は面白い。街中でなくても、いや逆に街中でない方が、個性的なうどんに出会える確率が高い。自分がどんなうどんが好みなのか見定めるための食べ歩きをするなら、関西では兵庫が最適じゃないかと思う。

              別「同じタイプのうどんが続くことがまずないので、1日で意外と軒数をこなせます(笑)」

              ※イラスト:別府さん直伝、釜揚げの食べ方



              | 兵庫でさぬきうどん | 14:27 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
              坂をのぼると猫が招く・讃々(さんさん)
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                う「うっはー! キツイ坂やなぁ。こりゃ六甲山も顔負けですよ」
                別「能勢電鉄の平野駅からそう遠くはないんですが、行きの徒歩はかなり勇気がいりますよね」
                う「で、徒歩で行くつもりなんですか、この登山バリの上り坂を」
                別「もしよろしければバスもありますよ。ひとつ目のバス停で降りますが」
                う「う〜ん、庶民の感覚としては難しい選択ですな」
                別「息を切らして上りきった者だけが得られる喜びという点も、この店のポイントのひとつです。さあ歩きましょう!」
                う「それ、別府さん独自のポイント制ちゃうんですか〜」

                実際マジですごい坂なのだ。上りきったら後ろを振り返ってみよう。ジェットコースターで一番高い位置からガ〜ッと下っていく瞬間、あのときみたいに道が途切れて見えます(笑)



                讃々の外観よりにもよってこの日はふざけとんのか!というくらい暑かったため、汗をかきかきやっと坂のてっぺんにたどり着くと、地味な商店と商店にはさまれてニッコリ笑った猫が「いらっしゃ〜い」と手招きしている。
                その顔を見た時点でもう、妙な達成感がある。

                時刻はちょうど昼どき。周りは一見したところ、人通りも少なく会社もあまりなさそうだというのに、家と家のあいだやら細い路地からわらわらと人が出てきて、みんながみんな『讃々』に吸い込まれていった。

                う「なんですか、この集客力は? どこから人が沸いてきてるんですか」
                別「ほんと、おいしい店はみんなよく知っているもんですね」


                讃々のおでん定食
                モタモタしていたら満席になってしまいそうな勢いだったので、慌てて店に入った。おでん3本とたぬきうどん、白ごはんと漬物がつく『おでん定食(750円)』と『さぬきぶっかけ(650円)』を注文する。

                別「『さぬきぶっかけ』は要するに『ちく玉天ぶっかけ』です」
                う「いたるところでたけちゃんの普及キャンペーンの成果が出てますねぇ」

                讃々のさぬきぶっかけ

                それにしても、このちくわ天がめちゃくちゃウマイ。

                注文が入ってからのばして湯がく、チュルチュルと唇のあいだを滑ってグニグニと噛ませる麺とのコンビネーションが史上最強である。

                温かいうどんの方も、主張していないほんのり控えめないりこが香るかけダシでこれまたイケる。


                う「ほんまや、これはご褒美うどんですわ。それに何より、最初に出てくるお茶のおいしさは他に類を見ません」
                別「暑かったですもんねぇ・・・・・・」


                | 兵庫でさぬきうどん | 21:39 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                どんどんいける生じょうゆ・民藝(みんげい)
                0

                  民藝の外観別「次は元町駅の近くに行きましょうか。数ヶ月前のオープン当初から、かなり評判のいい店なんです」

                  ツヤツヤと輝く、滑らかでねじれのない麺が美しく盛り付けされた『生じょうゆうどん(600円)』は、運ばれてきた瞬間においしいと分かってしまった。

                  別「すごいですね浦谷さん! なんで食べる前からそんなこと分かるんですか」
                  う「すいませんでした。言葉のアヤです」
                  別「このうどんがおいしくないはずがないでしょう」
                  う「どっちなんすか!」


                  民藝の生じょうゆうどん見た目はそう、大阪でよく出会った街中洗練麺に近い。
                  実際に食べてみると、表面はやわらかくモッチリ、少し細めで喉ごしがよく、歯応えはしっかりとしている。
                  生じょうゆでシンプルに食べるのがたまらなくおいしい麺である。

                  別「これはどんどんイケてしまいますね。喉で食べられるうどんです」
                  う「別府さんみたいな人のために2玉まで同じ値段みたいっすよ。よかったですね」


                  民藝のちくたま天ぶっかけうどんダシは関西風にかつおと昆布、うるめ、さば、めじかや本枯節を使って、馴染みやすい味つけ。ぶっかけ系やかけうどんもハズレがなく、上品にまとめてある。

                  別「ごはんものや定食も充実してますし、しょっちゅう通いたくなる店ですね。評判がいいのも当然でしょう」
                  う「そうそう、大将の甘いマスクも必見です(笑)」








                  | 兵庫でさぬきうどん | 16:49 | comments(2) | trackbacks(1) | - | - |
                  三宮の名店・すずめ
                  0

                    すずめの外観別「三宮といえば『すずめ』です」
                    う「おっ、やっと神戸の中心部が出てきましたね」
                    別「そういえばそうですね(笑)兵庫は神戸以外の市や辺鄙な場所にもいっぱいおいしい店がありますから」
                    う「ある意味、関西で一番さぬきうどんが栄えている県ってことですか」
                    別「そう言ってもいいかもしれません。軒数で言えば大阪の方が多いんですが、味のバラエティは兵庫が一番豊かですし
                    う「味のバラエティ?」
                    別「麺もダシも店によってかなり違いがあって面白いんです。いりこダシへの拒否反応も大阪より少ないみたいだし、うどんに対する懐の深さは関西で一番香川に近い感じがします
                    う「さぬきうどんを受け入れやすい土壌ということですか」
                    別「海が近いからかな」
                    う「なるほど! いかなごの釘煮とか、小魚系が得意なイメージありますもんね」
                    別「あ、今思いついただけなので感心しないでください(笑)」



                    すずめの釜あげうどん6年間香川の『山田家』で修行した大将が、ほとんど同じメニューでオープンした『すずめ』。
                    別府さんが知る限りでは三宮で最初にできたさぬきうどんの店だという。
                    当時マニアたちの間で話題になり、みんなこぞって出掛けたのだそうだ。
                    三宮駅から徒歩5分と距離は近いのだが、繁華街と逆の東方向へ向かうので人通りは意外と少ないエリア。なのにお昼も夜も常にお客さんでいっぱいである。
                    実はお昼に行ったときは麺切れで振られたので、今回2度目、夜の営業が始まったばかりの時間帯を狙ってやって来たのだった。


                    別「オープンから6年ほど経ちますが、もう名店と言ってもいいでしょう。神戸でさぬきうどんを広めた店ですから」

                    大将は高校時代にうどん屋でバイトをしていて、その後就職したりフレンチのシェフをしていた頃もあったのだが、ずっとうどんが打ちたくて仕方がなかったから香川へ行ったという筋金入りのうどん好きだ。
                    大将「香川で修行中に結婚して、あまりの居心地の良さに6年間もおったんですけど、地元の神戸でもさぬきうどんのおいしさをわかってほしいなぁと思って」
                    名店という別府さんの評価と、楽しそうにうどんの話をするまだ30代の大将とは少しギャップがある。変に肩に力が入っていないから、うまく神戸でも溶け込めたのかもしれない。



                    すずめのぶっかけうどん『釜あげうどん(480円)』と『ぶっかけうどん(550円)』を頼んで、セルフのおでん(100円)を食べながら待つ。香川によくあるシステムと同じで、取った個数は後で自己申告。
                    ちなみに一般店だというのに『かけうどん』はなんと280円である。

                    う「うはは、お先に失礼しまっす。ずずずっ、ずっ、ほっほ〜ぉ!」
                    別「もごっ、やられた!」

                    別府さんが口いっぱいに頬張ったおでんのコンニャクを急いで咀嚼している隙を狙って、素早く、かつ勢いよくすすり上げる。大将のうどん話を聞いているうちに、もう食べたくて食べたくてどうしようもなくなっていたのだ。

                    う「ふむ〜、これは、やっぱり別府さんが名店というだけありますな。ずずっずーっ」

                    話を聞いた後だったから余計にそう感じたのかもしれないが、非常にこなれた味だ。いろんなところが丸い、と言う表現が一番しっくりくる。
                    でもそれだとよくわからんので、あえて言うなら、麺もダシも幅5センチの平均台を渡っているかのごとくバランスがいいのだ。
                    いい意味でどこも突出した部分がない。好みに関係なく、きっと誰が食べてもおいしいうどんなのだと思う。

                    別「そうそう出せる味ではありませんよね。もごもご」
                    う「試行錯誤しながらこの味にたどり着いた、という達成された感じがします」
                    別「それはいいから早くうどんを渡してください」
                    う「ほら、まだお皿の上にコンニャク残ってますよ、別府さん」



                    | 兵庫でさぬきうどん | 16:49 | comments(6) | trackbacks(1) | - | - |
                    独学で切り開くトクオカワールド・麦きりトクオカ
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                      トクオカの外観別「『ちょっとお茶でも飲もうか』って入ってしまう人、絶対いますよね。ここ」
                      う「で、内装もばっちりカフェなのに、いざメニューを見たらうどんしかない」
                      別「そしたら『おやつ代わりにかけうどんでも』となります」
                      う「なるかい!」
                      別「香川ならごく普通なんですがねぇ。喫茶店でうどん」
                      う「いや、だからここ、喫茶店じゃないですやん。話がごちゃごちゃになってますよ(笑)」
                      別「もともとはカフェだったんじゃないかと私は踏んでるんですが」

                      JR土山駅を降りて昔から変わらぬ町並みを抜け、これまたずっと前からちっとも変わっていない市場の真向かい。周りの景色からすると異様に垢抜けた店、それが『トクオカ』である。


                      う「なんで昔から変わっていないことがわかるかというとですね、私の実家とそれほど離れていないからです」
                      別「じゃあトクオカは知っていたんですか」
                      う「めっそうもない! ずいぶん前に姫路から出ちゃいましたし、第一こんなところにこんなカフェーなうどん屋があるなんて夢にも思うもんですか
                      別「地元の人の方が余計にそう思うのかもしれませんねぇ」
                      う「驚愕に値するカルチャーショックです」


                      トクオカのきつねうどん結論から言うと、もともとカフェだったわけでもなんでもなく、ここは“ボス”とナイスなあだ名を持つ大将の西川さんの家だ。現在も同じ敷地内に住んでいる。

                      ボス「母親の実家だったんですよ」
                      う「そしたらなんでまた、こんなうどん屋らしからぬ造りにしたんですか」
                      ボス「単に僕の趣味で(笑)」
                      う「こういう趣味なんやったら、なんでカフェやらんかったんですか」
                      ボス「単に僕がうどん屋やりたかったんで(笑)」
                      別「浦谷さん、よっぽど納得がいかないようですね」

                      だってこの立地でこの造りでうどん屋だなんて、冒険しまくりにもほどがある。それでもって更に驚くのは、ボスってばどこにも修行に行っていないらしいのだ。

                      ボス「そば屋で修行してたんですよ。そこの師匠がさぬきうどんめぐりが趣味で、師匠が読んでた『恐るべきさぬきうどん』を借りて僕もハマっちゃったんです
                      う「それでうどん屋に?」
                      ボス「そう、そば屋の師匠はうどんも打てたんですよ。それで師匠の打ち方と、本で読んださぬきうどんの打ち方を混ぜて独学で」
                      う「そんなのってアリ? びっくりするわ」
                      別「『恐るべきさぬきうどん』を読んでハマったといううどん屋さんは確かに多いですが」
                      別府さんが『恐るべき〜』に登場する別Pさんであることや、麺通団の京都支部長であることをボスに教えたらものすごく感激していた。ほんまにファンらしい。


                      トクオカのひやひやとかしわ天正直ここまでの話からすると、うどんの味自体はそれほど期待できないように思われるだろう。しかしボスの暴走は留まることを知らない。挑戦的とすら言えるすごいうどんを出すのだ。

                      う「なんやこの見事ないりこダシは! どないなっとんや」

                      さらっとしたいりこダシは冷たくても熱くても極上の風味。細めのなめらかな絹を思わせる麺は噛むほどしっかりと押し返してくる。
                      これが独学だなんて誰が信じるものか。

                      別「才能さえあれば技術は後からついてくるもんなんですかねぇ。感服します」
                      う「この地で5年、ボスのやりたいことを全て受け入れ、定着させている地域の方々にも感服します」



                      | 兵庫でさぬきうどん | 20:01 | comments(4) | trackbacks(1) | - | - |