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毎日新聞女性記者58名
2009年6月発売!毎日新聞で連載されていた旅の記事に、浦谷がイラストをつけました♪
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イラスト:浦谷さおり
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関西極楽さぬきうどん

関西のおいしいさぬきうどん屋めぐり
さぬきうどん基礎講座・梅田はがくれ
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    別「数年前までは生醤油うどんとか釜たまうどんの食べ方がそれほど浸透していなかったから、面白い話がけっこうありましたよ」
    う「ああ、かけダシみたいに醤油をダボダボかける人がいるとか、ああいう話ですね」
    別「実は私もそれ、やったことがあります」
    う「うげ!? マジですか。ちょっと作り話っぽいなぁと思ってたんですけど、目の前に実在するとは(笑)」
    別「最近は情報があふれてますから、そんな人も少ないでしょうけどね。ところで浦谷さんは生醤油うどん1玉に対して、醤油をどのくらいかけますか?
    梅田はがくれの外観う「えっ、いや、いざそんな風に聞かれると・・・・・・どのくらいかなぁ」
    別「じゃあ釜たまにはどのくらい?」
    う「ええ〜、別府さん、なんかちょっぴりイジメてません?」
    別「ふふ、バレましたか(笑)」
    う「どのくらいの量をかけるのが適正なんですか」
    別「私は人に教えるとき“冷奴にかけるくらいの量”と言うんですが、実際のところ、今でも食べ方がはっきりわからない、という人が多いんじゃないかと思うんですよ」
    う「そう言われてみるとそうかもなぁ」
    別「そんなとき、とりあえず行ってみるといいのが『梅田はがくれ』なんです。さぬきうどん初心者には非常にありがたい店です」

    梅田はがくれのかまたまうどん
    『梅田はがくれ』といえば、関西のうどん好きで知らない人はいないという超有名店だ。私でも何度か行ったことがある。
    昼どきには毎日かかさず行列ができ、テレビや雑誌の取材がひっきりなし。さぬきうどんの代名詞といったイメージがついている。

    別「もちろんメニューや味、その他、大阪を代表するさぬきうどん店だと思います。ところが大将は『うちのはさぬきうどんやない』と
    う「ええっ、なんでですか」
    別「まあ、それはこれから他の店をまわっているうちに、おいおいわかってくると思います。今のところはサラッと流してしまってください(笑)」


    この店では注文したうどんが出てくる際、「食べ方ご存知ですか?(←従業員のお兄さんの場合)」もしくは「あんた初めてやな(←大将の場合)」、たまに「あんたはこないだも食べたな(←同じく大将の場合)」などと聞かれる。
    食べ方を教えてもらったことがない場合は素直に教えてもらうことをオススメする。間違った食べ方をしていると大将チェックが入るからである。
    ちなみに毎日の行列に打ち勝ち、晴れて常連になると黙ってうどんを出してもらえるようになる。

    梅田はがくれの生じょうゆうどん別「めんどくさいと思う人もいるでしょうが、大将の醤油かけパフォーマンスは一見の価値ありですよ」
    う「そうそう。見てて飽きないですよね」
    別「はがくれ流の部分もありますが基本的な食べ方は抑えていますし、それに第一、ここのうどんを最大限においしく食べるには大将の言うことを聞くのが一番です」
    う「そんなわけでイラストによる基礎講座をお送りしまっす」

    ※イラスト:『はがくれ』大将による、生じょうゆうどんと釜たまの食べ方講座


    | 大阪でさぬきうどん | 17:53 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
    2度おいしい名物釜玉・やとう
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      やとうの外観別「今回の本を作るにあたって『やとう』は大阪でハズせない店のひとつなんですが、ちょっとした問題が・・・・・・」
      う「なんですか?」
      別「さぬきうどんじゃなくて、自分が作っているのは徳島のうどんなんやと以前おっしゃっていたような記憶が、うっすらと」
      う「徳島のうどん!? あんまり聞いたことないんですけど、さぬきとどう違うんですか」
      別「それが、私にもよくわからないんです」

      店を観察してみても、『さぬき』の文字は見当たらなかった。だが『徳島』の文字も見当たらん。メニューはざるやぶっかけ、釜揚げ、鍋から唐揚げ定食まで何でも来いといった感じで、特に目新しい(徳島っぽい)ものはない。

      やとうのまぐろ丼定食(ざるうどん)う「大将、徳島のうどんっていったいどう違うんですか〜」
      大将「別にさぬきとなんも変わらんなぁ。特徴はない(きっぱり)」
      う「なんじゃそら! そしたらなんで徳島のうどんなんですか」
      大将「うちの兄貴がさぬきで修行して、実家のある徳島でうどん屋をやってるんや。僕は兄貴に教えてもろてうどんの作り方を覚えたから、さぬきは意識してへん。だから徳島のうどんっちゅうわけやな。でもまぁ、ルーツはさぬきになるんやろなぁ」
      う「わかったような、わからんような(笑)」

      要するにアレである。変に知ったかぶって「このダシはさぬきうどんじゃない」とか「生のスダチを添えていないのはニセモノだ」とかワケのわからんことを言う輩が結構多いから、毎日真摯な姿勢でうどんと格闘している大将たちは困っているのだ。
      香川にある店でも千差万別、いろんなダシがありいろんな麺がある。生のスダチじゃない店もたくさんある。何がさぬきうどんなのかなんて、しっかりした定義はないに等しい。

      別「自分が自信をもってお客さんに提供しているうどんに対して、妙な言いがかりつけられたらたまりませんもんね。別にさぬきうどんが作りたいんじゃなくて、おいしいうどんが作りたいだけなんですから。さぬきの製法で作っていても、うちのはさぬきうどんじゃない、と言いたくなる大将が多いのもうなづけます」
      う「そういうわけで、この本に載っている店はそんな感じで決定しています」
      別「どんな感じかよくわかりませんが(笑)」



      やとうの釜玉うどん名物の『釜玉うどん(500円)』は、ちょっと面白い食べ方をする。
      ここのは卵の黄身だけが麺に乗って出てくるのだが、それに薬味とダシ醤油をかけて混ぜ、普通に食べる。あと一口になったところで店の人に声をかけると、かけうどんのダシをちょっと薄めたやつを持ってきてくれるのだ。丼にそのダシを入れ、残っている卵とかき混ぜてズズッとすすると・・・・・・。

      う「う、うんまーいっ!」

      釜玉とか生醤油うどんを食べたとき、ちょっとだけダシも飲みたいと思いますよね? ええ、あなたもきっと思うはずです。特に釜玉の場合は口の中に卵の味がまったりと残りやすいから、最後にダシを飲むことでさわやかに締めくくれるというわけです。

      別「密度の高いしっかり麺なので釜揚げ状態でもそれほどぶよぶよにならず、最後のダシを入れる際に残っている一口の麺までおいしく楽しめます」
      う「ちなみに別府さんは待ちきれずに、3口くらい残った状態でダシを所望していました」

      この方式で一度食べると、他の店で釜玉を食べたあともダシが欲しくなる。もっと広まってメジャーな食べ方になってくれるとうれしいのになぁ。

      ※イラスト:ソフトクリームにチャレンジ
      | 大阪でさぬきうどん | 22:38 | comments(0) | trackbacks(1) | - | - |
      チェーン展開のチャレンジ精神・饂飩の四國 西梅田店
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        饂飩の四国の外観この本を作る発端となった、うどん新年会の会場『饂飩の四國 西梅田店』は、その後他のうどん屋をまわってみて思うのだが、かなり変わったうどん屋である。

        1.うまいうどんを出すのにお洒落すぎる内装だ。
        2.チェーン展開しているというのにたまに変なメニューを出す。
        3.ここの鶏、下手したらうどんよりうまいかもしれん。



        饂飩の四国のひやひやとちくわ天う「では1.から順にご説明しましょう。“チェーン展開しているお洒落なうどん居酒屋”と聞くとついついナメてかかってしまいますが、私はここの『ひやひや(460円)』を食べて仰天しました
        別「浦谷さんがナメてかかってたんじゃないですか(笑)」
        う「だって、関西で10店舗も出店してるのに、あんなはっきりとしたいりこダシが出てくると思いませんやん」
        別「なのに軽やかなんですよね、あのいりこダシ」
        饂飩の四国の焼き茄子と温玉のひやひやうどんう「そうそう。ごくごく飲める」
        別「ギュッとしまってて気合の入った麺とぴったりくるというか」
        う「あの味のレベルを保ってお洒落にチェーン展開って、想像できないんですけど」

        別「2.はあれですね、『酢醤油うどん』(笑)」
        う「うどんに酢と醤油をかけてお召し上がりください、ってさすがに関西では無茶でしょう!」
        別「マニア受けはよさそうですけどね。香川の『谷川米穀店』風で」
        う「創作メニューが多くて楽しいんですが、これはやりすぎちゃうか? というメニューがたま〜にあって笑えます」

        饂飩の四国のひやあつ定食
        別「1.も2.も本部長の道下さんの仕業というしかないでしょうね」
        う「飲むのが大好きな自称・会社人間の道下本部長ですか」
        別「企業としてうどん屋をやっていると言いながら、話を聞けば聞くほど職人タイプの人なんですよね。10店舗のレベルを保っているのも道下さんの努力の賜物ですし」
        う「変なメニュー出したり、お洒落すぎる内装にしてみたりするチャレンジャーぶりも結局は道下さんの趣味だし」
        別「会社人間だと思っているのはきっと本人だけですよね(笑)」


        こんな面白い人が本部長をやっている会社だから、このうどんが出せるのだ。直接道下さんが麺を打つことはほとんどないらしいが、個人店の大将たちが作るうどんと同じで「うどんの味は粉や水ではなく、人が作る」と改めて思わされる。

        う「で、3.はですね、そのまんまです」
        別「う〜ん、反論できないかも・・・・・・」
        ※イラスト: お酒を頼むとアテがついてくる(いりこ、ねぎ、しょうが)


        | 大阪でさぬきうどん | 09:47 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
        民家でひっそりやっています・どとう ぜにや
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          ※イラスト:電柱に掛けられた小さ〜い看板と、入る路地

          う「どこですか、ここはいったい」
          別「堺市の土塔町というところです」
          う「そんなことはわかってますがな。私が言いたいのは、なんでこんな住宅街のド真ん中でバスを降りなあかんのかっちゅうことです」
          別「そこにうどん屋がある限り、私はどんなところでもバスを降りるでしょう」
          別府さんの指差す先をよ〜く見ると、バス停近くの電柱にまるで気づいてほしくないかのように遠慮がちな、小さい小さい看板が出ている。『右へ→』と書かれていたので右を向いたら、外国の人が見ても「オー、ミンカー」と言いそうなくらいに民家が並んでいる路地しかなかった。

          ぜにやの道しるべぜにやの道しるべ(拡大図)
          う「この路地を入れってか、すごいなぁ」
          別「ほんとに店があるのかどうか不安になりますよね。なんて素晴らしい立地でしょう」
          う「もうこの時点で掲載決定って感じです」
          別「あ、ここですね」
          う「これはまた、趣味で『手打うどん』と書かれたのれんを掛けているのではないかと思えるほど完膚なきまでの民家ですやん!」

          ぜにやの外観ご主人が自宅の1間をこつこつ手作業でリフォームしてオープンしたのが約2年前。
          特別に宣伝するわけでなく地道に営業しているため、一部のうどんマニアを除き、まだ近所の人たちにしか知られていないようである。

          別「なんでこの店だけ『大将』じゃなくて『ご主人』なんですか」
          う「だって、何度も言うようですが店というより家なんですもん(笑)」

          自転車で四国88ヵ所めぐりをしているとき、たまたま泊めてくれたおじさんがうどん屋めぐりに連れていってくれたのがきっかけでうどんにハマったというご主人。奥さんと看板娘のいろはちゃん(このとき生後5ヶ月)と3人で店を切り盛りしている。
          う「生後5ヶ月の子が店に出てるんですよ? さらに民家度アップでもう和みっぱなし」
          奥さん「忙しいときにはお客さんがいろはにミルクやってくれたりするんです」
          う「ああもう、なんてステキなんでしょう」
          別「しかし修行しながら3年かけたというだけあって、素人仕事とは思えぬ立派なリフォームですね」
          ※イラスト:いろはちゃん(足でバイバイしてくれます)


          ぜにやのとろとろ天ぶっかけメニューはボリュームのあるてんぷらトッピング系が充実している。実はこの日すでに麺切れ状態だったのだが、無理を言って『まんまる天うどん(700円)』と『とろとろ天ぶっかけ(950円)』を作ってもらった。私たちのせいでご夫婦のお昼ごはんがなくなってしまったかもしれん。
          う「てんぷらがモリモリ乗ってますねぇ。どっちもほとんど麺が見えませんよ」
          別「ふふふ、食欲をかきたてます。さあ食べましょう!」
          う「ひとりで食べきっちゃイヤですよ、麺切れなんですから」

          ぜにやのまんまる天うどん

          あったかいうどんは食べやすいやさしい麺に関西風のこっくりしたダシ。冷たい麺は噛み切るときにけっこう抵抗しつつも、ぶっちり切れる心地よい食感。なによりぎっしり乗せられた盛りだくさんなてんぷらで、さすがの別府さんでも満腹になること請け合いである。
          別「このおいしさならもう2杯くらいイケそうですけど」
          う「そやから麺切れなんですってば!」


          なんせ人に教えたくなるロケーションゆえ、注目されだすと一気に人気店になってしまう可能性が高い。今のうちに早めにお出かけください。


          | 大阪でさぬきうどん | 20:23 | comments(2) | trackbacks(1) | - | - |
          たけちゃんとめぐる大阪その6・銭形(ぜにがた)
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            たけ「次は『銭形』さんに行きましょう!」
            別「たけちゃん、最近ハマってますよね」
            たけ「あそこのご主人がもう、いい味出してらしてねぇ」
            う「大将にハマってるんですか!」

            別「まぁまぁ。確かに大将もいい味なんですが、オープンして28年も経つ老舗ながら、見事なまでのさぬきうどんを出す店ですよ
            たけ「そうそう。ここのダシがねぇ、好きなんですよ」
            う「思い出したみたいに付け加えましたね(笑)」
            別「長い間営業している店は『さぬき』ののれんを掲げていても、かなりの確立で関西のうどんになってしまっていますからね。ある意味それも仕方のないことだと思うのですが、『銭形』は違います。貫き通してらっしゃいます

            銭形の外観阪急服部駅近く、歴史を感じるしっとりと落ち着いた店構え。期待とともに引き戸を開けると、昔ながらのうどん屋らしい内装に、有線から流れてくるボサノバのリズム。

            う「ボ、ボサノバですやん。一瞬ズッコケそうになりましたわ」
            大将「ははは、うどんにはモダンジャズかバロックが一番合うんですわ!」

            小柄でちゃきちゃきと元気のよい大将、おっとりと優しげな奥さん、パソコン(Mac)好きの息子さんという個性豊かな3人で出迎えてくれる。一家4人、全員がラッパを吹くのだそうだ。
            大将「音楽はね、単に好みでかけとるんです(笑)」

            銭形の釜揚げうどん
            たまにはボサノバでさぬきうどんもオツなもんである。と無理やり気を取り直すことにして、『釜揚げうどん(630円)』、『細切りざるうどん(530円)』、トッピングが色々楽しめる『三つ盛り生醤油うどん(700円)』を頼んだ。

            たけ「私はダシが飲みたいので『きつねうどん(500円)』を追加してください」
            う「あの〜、ええんですけど、今日すでに3軒目やのに3人で4つも注文してどないするんですか」
            別「問題ないでしょう」
            たけ「問題ないです」
            う「そうですか・・・・・・」


            銭形の三つ盛り生醤油うどんたけちゃんと『銭形』家族の会話が弾んで、えらく和やかなムードの中でうどんが運ばれてきたのだが、うどんそのものはピン!と背筋を伸ばしたような気骨あふれる風貌をしていた。
            手切りされたどっしりと重量感のある太い麺、臭みなく香るいりこダシ。別府さんの「貫き通してらっしゃいます」の言葉がフラッシュバックする。

            大将「いりこが入ってなかったらうちのダシじゃないんですわ。子どもの頃から食べてきたごつい麺とダシがあってこそ、さぬきうどんやから」

            銭形の細切りざるうどん大将と奥さんは二人とも香川・観音寺出身。昔からおやつ代わりに食べていたうどんと比べると、今の香川の麺ですら物足りないという。

            大将「ほんまにおいしいと思うものを出してたら、京阪神の味に迎合する必要はないんや」

            本場・香川よりも香川らしい、昔ながらのさぬきうどん。大将の体に流れる血が、この味を決して譲らないのである。



            う「ここのところ大阪の店ばかりめぐっていて洗練されたなめらか麺に慣れていたせいか、今日の『讃岐一番』と『銭形』はかなりのインパクトでした」
            別「実は私もちょっと新鮮に感じました。大阪の都心部ではなかなかお目にかかれないタイプのうどんが2軒続きましたよね」
            たけ「一言でさぬきうどんと言っても、ほんとにいろいろありますからねぇ」
            う「もしかして地域性とかあるんじゃないですか? 関西にも」
            別「香川で中讃、西讃とかの地域性があるように?」
            う「うーん、どうかな・・・・・・」
            別「面白い! もしかしたら法則性が見出せるかもしれません」
            う「がんばってください」
            別「他人事ですか」
            う「ああ、それにしても今日はおなかいっぱいです〜。胃の中がうどんまみれ」
            別「そうですか?」
            たけ「そうですかね?」


            | 大阪でさぬきうどん | 20:04 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
            たけちゃんとめぐる大阪その5・讃岐一番(さぬきいちばん)
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              たけ「『きぬ川』に寄ったついでに何軒かまわりましょう。この時間だったらあそこかな・・・・・・
              別「うん、私も久しぶりに食べたいです。この時間ならバッチリでしょう
              う「なんすか、ふたりして時間時間って。香川でうどんめぐりしてるみたいに」

              セルフや製麺所タイプの店が多い本場・香川でさぬきうどんめぐりをする場合、その店に何時に行くかということはとってもとっても大切なのである。
              営業時間(やたらと短かったりする)を調べて、ゆがきたての麺が食べられそうな時間を狙って、かつ効率よく何店かをまわれるようにルートを組むのだ。
              ルート組みに失敗して変な時間帯に行ってしまうと、ゆでてからずいぶん時間のたった、いわゆる“ゆで置き”の死んだ麺に対面することになる。
              そのあたりもさぬきうどんめぐりの面白さのひとつであり、別府さんはさらに「車じゃなく、公共交通機関のみを使って」という荒業をプラスしてマニア度を高めているというわけだ。

              別「別にマニア度を高めるために電車やバスを使っているわけではないです。素直に楽しいじゃないですか、時刻表を眺めるのって」
              う「自分はそんじょそこらのうどんマニアと違って、元鉄道研究サークル会員としての誇りを持ったハイブリッドなマニアだと言いたいわけですね」
              別「全く違います」
              う「あ、そういや大阪ではまだ一般店しか行ってないっすね」
              別「だからこれから行く店がセルフなんですってば。しかも香川の香りたっぷりの個人セルフ」
              たけ「そのうえ立地がちょっと怪しげ(笑)」
              う「おおっ、やったぁ! 怪しげ大歓迎!!」


              讃岐一番のひやひや隣にあるハローワークの有料駐車場に車を停めて店に入る。建物といい店内の脱力感といい、まさしく香川にありそうなセルフだ。

              う「かけ200円、ぶっかけ200円。安い! 駐車場代で食べられそうですがな
              たけ「まぁまぁ、それを言っちゃいけません」
              別「大阪で個人セルフ、しかもおいしいうどんを出すんですから珍重されるべき店ですよ。駐車場代くらいバーンと払いましょう!」

              『ひやかけ(200円)』と『ぶっかけ(200円)』、『釜玉(350円)』を注文してから、それぞれオプションでてんぷらやごはん類を取って料金を支払い、席に着く。てんぷらも嘘みたいにデカくて安い。バリバリした食感に揚げてあることが多いので、ダシに浸して食べるとちょうどよい感じ。


              讃岐一番のぶっかけうどん
              う「ではいっただきまーす! ふむふむ、ふおーっ、ピチピチでウマイっす!!」

              別「ぞぞーっ、ぞぞぞぞーっ。ああ、生きててよかった
              う「この『ひやかけ』、キリッと角がたったガッシリ麺にガツンといりこダシ! カガワンな喜びにあふれてますな(笑)
              別「一般店とはまた違う、ちょっとジャンクな風味がたまりません。香川でもかなりレベルの高い、上級セルフうどんです
              たけ「時間をはずさないように注意すれば、大阪でこんなうどんがこの値段で食べられる! ありがたい店です」


              ダンディーなヒゲがチャームポイントの大将・上原さんは、実家が高松にある『名前のないうどん屋』の近くという縁で修行させてもらったそうな。
              食べ終わったあとで大将に裏の調理場を案内してもらうと、そこはもう寸分違いなく香川の田舎の製麺所風景であった。
              積み上げられたダンボール、充満する小麦粉の匂いと簡素な木で作られたベッド・・・・・・ベッド!?
              大将「たまに寝てるんですわ、ここで(笑)」
              う「ええ、何でですのん!? 家に帰って寝ましょうよ」
              たけ「いいですねぇ、私も店にベッドが欲しい」
              う「そうなん!? わからん・・・・・・」

              う「ところで怪しげな立地ってなんやったんですか。国道のそばやし、ハローワークの隣やし、別に普通やと思うんですけど」
              たけ「ああ、一度あっちの出入り口から出てみたらわかりますよ」
              よく見ると、店には出入り口が2ヶ所あった。たけちゃんに言われるがまま、最初に入ってきた所と違う出入り口から出てみる、と。

              う「はい!? 何ここ?」

              讃岐一番の普通の出入り口讃岐一番のSUBARU側出入り口
              そこは自動車メーカー・SUBARUの店の中。『讃岐一番』を出るとSUBARU、ではなくて、SUBARUの敷地内に『讃岐一番』があるのだった。
              大将「SUBARUの社長と知り合いやったんで、場所を一部貸してもらうことになったんですわ」
              ちょっと覗いてみるくらいだったら面白いが、車を買う気も整備する気もないのにSUBARU側の出入り口から入ろうとすると明らかにおかしいので、普段は道沿いの出入り口から入ってください(笑)



              | 大阪でさぬきうどん | 22:35 | comments(6) | trackbacks(0) | - | - |
              たけちゃんとめぐる大阪その4・きぬ川(きぬがわ)
              0

                『美曽乃』を訪れてから約2ヵ月後。ついこの間まで『釜たけうどん』で働いていた衣川さんが店をオープンしたので、たけちゃんに車で連れていってもらうことになった。

                きぬ川の外観たけ「ほんの2週間前にオープンしたばっかりだから、まだ落ち着いてないかもしれないけど。ええっと、ほら、あそこあそこ」
                う「えっ、どこ? あのでっかいネコの看板?」
                たけ「の、下(笑)」
                ブラウンとベージュを基調にした上品な店構えのため、車だとはっきり言って見つけにくい。ド派手な黄色のネコ看板を見つけたら目線を下にしてみましょう。それです。


                きぬ川のひりゅうずぶっかけたけ「オススメはなんと言っても『ひりゅうずぶっかけ(980円)』です。もうさん(衣川さんのニックネーム)手作りの数量限定品やから」
                う「ひりゅうず? それ何でしたっけ」
                別「ひろうすのことです」
                う「ひろうす・・・・・・ああ、あのがんもどきみたいなやつ」
                別「がんもどきは元々関東の呼称ですね。関西ではひろうす、もしくはひりゅうずと呼ぶようです」
                たけ「うちの店にいるときに試作してたんよ。大和芋を使って丁寧にひとつひとつ揚げて出すから、フワフワで抜群ですよ」
                ツヤツヤ光るタレがかかった存在感たっぷりのひりゅうずは、たけちゃんの言うとおり空気を含んでホワッとしていて、大きいのにすぐ食べきってしまう。
                それと、一緒に乗って出てくるてんぷらが旨い。

                きぬ川のちく天きつねうどんう「てんぷら、おいしいなぁ。上手く揚がってますねぇ」
                たけ「ほんと。なんででしょうね」
                う「いやいや、あなた師匠じゃないですか(笑)」

                太すぎず適度なコシと粘りで食べやすい麺に、いりこの入っていないダシ。ベースはもうさんの印象と同じ、穏やかなうどんである。そこに『釜たけうどん』で研修した人らしいスター性のあるアレンジが加えてあるのだ。

                う「なるほど、たけちゃんのお弟子さんの店だなぁ」
                別「納得の味です」
                たけ「付け加えるようですが、もちろん『ちく玉天ぶっかけ(730円)』もイケます」


                きぬ川の肉釜揚げうどんもうさんは会社員時代、高松に3年半赴任している間にうどんにハマったのだが、その後東京勤務になり、どうしても東京のうどんに馴染めず仕方なく自分で打って食べていたという。
                もうさん「はじめはなかなか納得のいくうどんが打てなくてねぇ」
                う「もうさんもマニア出身でしたか」
                もうさん「いや、私はマニアというほどではないですよ」
                う「おいしいうどんが食べたくてどうしようもないから自分で打つって、立派にマニアやと思いますけど」
                もうさん「はは、そうか、そうですね(笑)」




                | 大阪でさぬきうどん | 22:25 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                ほのぼのあったか味・かどっこ
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                  かどっこの外観別「これから行く店は『かどっこ』という名前で、大将は香川の丸亀にある『凡蔵』で修行された方です。『志のん』と兄弟弟子になりますね」
                  う「『かどっこ』ですか。それってもしかして・・・・・・」
                  別「ああ、あそこです」
                  う「やっぱり! 路地の角に店がある(笑)」


                  店内は10席ほどのカウンターのみ。非常にシンプルな造りのこぢんまりした店で、おだやかな風貌の大将が迎えてくれる。
                  う「なんでしょうか、初めて来たというのにこのリラックス感は」
                  別「和みのオーラがありますよね。大将の人柄からですかね?」

                  メニューを見ると『讃岐うどん(300円)』、『湯だめうどん(350円)』などと、大阪の一般店の相場からすると100円ずつくらい安い。
                  値段までリラックス価格である。


                  別「丸亀の『凡蔵』は全国にたくさん系列店というか暖簾分けの店があるんですが、その中でも『かどっこ』さんはメニューが本家にかなり近いですね」
                  大将「特別なことはせずに、なるべく基本に忠実に『凡蔵』の味を守ろうと思ってやってるんです」
                  値段も本当はもっと『凡蔵』価格に近づけたかったそうだが、残念ながら無理だったらしい。そりゃそうでしょう、今でも十分安いです。


                  かどっこのぶっかけうどん別「本家にないメニューは『釜揚げ』と『釜玉』だけですね。『凡蔵』系の麺は冷たい方がおいしいとよく言われますが、温かいのもイケるのかもしれません。試してみましょう」
                  別府さんのアドバイスに従って『ぶっかけうどん(350円)』と、『釜揚げうどん(400円)』を注文する。

                  う「おお!? ぶっかけにカニかまが乗って出てきましたよ! ちょっと不思議な見た目やなぁ」
                  別「おや、こんなところまで忠実でしたか」
                  う「はい?」
                  大将「『凡蔵』では『醤油うどん(350円)』にはちくわ天、『ぶっかけうどん(350円)』にはカニかまを乗せて出すんです。別にどちらでもいいんですが、うちはそのまま継承してやってます」
                  う「ああ、そうやったんですか。しかしちくわ天はいいとしても、なぜゆえカニかま・・・・・・?」
                  別「彩りじゃないですかね」
                  大将「赤いものがないですから」
                  う「なるほど、赤ピーマンよりはカニかまの方が絶対合いますしね(笑)」
                  別「他に赤いものといえば、ニンジン、トマト、いちご、りんご・・・・・・う〜ん」
                  う「だんだん、トッピングにはカニかま以外ありえないような気がしてきた」

                  そういえば『志のん』は醤油にもぶっかけにもデフォルトでちくわ天が乗って出てくる。『志のん』の大将は「自分がちくわが好きやから」と言っていたが、ひそかに本家の流れを汲んでいたのだ。



                  かどっこの釜揚げうどん大将「『志のん』とはお互い食べに行ったり、食べに来てくれたりして交流していますが、麺もダシも作り方自体はほとんど同じはずです」
                  うどんの奥深さはこういうところでわかる。同じ作り方と大将は言うが、食べた印象は『志のん』とかなり違うのだ。
                  系統的には同じなのだろうが、『かどっこ』のうどんは、『志のん』よりさらに田舎麺タイプのホッとする味なのである。
                  店のオーラから勝手に想像していたうどんの味そのものと言ってもいいかもしれない。

                  別「浦谷さんが想像していた味そのもの、と言われてもねぇ」
                  う「ひとりよがりなコメントですんませんな」
                  別「でも確かに大将の麺は、ちょっと懐かしさを感じるうれしい麺ですね。そのうえ釜揚げがとてもイケる」
                  う「店と大将の人柄とうどんの味が、見事にトータルコーディネートされておるのです」



                  | 大阪でさぬきうどん | 21:43 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                  四天王寺の風景とともに・志のん(しのん)
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                    天王寺駅から聖徳太子が建立した日本最古の官寺、四天王寺の参道へ向かって谷町筋をてくてく歩く。四天王寺でお大師さんなどの行事がある日には狭い歩道沿いに露店が並んで、ちょっとした縁日気分が味わえるお得なエリア。

                    志のんの外観う「しかしほんま、このあたりはいつ来ても人であふれてますねぇ。まっすぐ歩けん」
                    別「なんとなく楽しいですよね、仏教系のグッズを売っている店がやたらと多かったり」
                    う「これを買って何に使うのか? というモノがいっぱい見つかる」
                    別「そして、植物の種や苗にはこんなにも需要があったのか? と目を疑うほど混んでいる、木造の大きな種苗店を過ぎると『志のん』に着きます(笑)」


                    志のんのかけうどん香川の丸亀にある『凡蔵』で修行したお兄ちゃんと、その弟の2人で切り盛りしている『志のん』。若い兄弟がこの場所でうどん屋を始めたというのがまず面白い。
                    う「もうここを歩いているだけで気分的にあったかいうどんなんですけど」
                    別「惑わされてはいけません。『凡蔵』で修行したということですから、ぶっかけか醤油でいきましょう」
                    う「ええー、横暴だー!」

                    そんなわけで『半たま天ぶっかけうどん(580円)』『醤油うどん(450円)』『かけうどん(380円)』と3つ注文することでなんとか決着がついた。ここの『ぶっかけうどん』と『醤油うどん』には黙っていてもちくわ天が乗ってくるので、『半たま天ぶっかけ』は要するに『ちく玉天ぶっかけ』と同じ状態になる。

                    志のんの半たま天ぶっかけう「ここのちくわ天は丸いままなんですね」
                    別「切り目を入れてちくわを開いてからてんぷらにする店が多いのはなぜだか知っていますか?」
                    う「理由があるんですか」
                    別「食べてみてどうですか、開いたちくわ天と何か違いませんか?」
                    う「このちくわ天はちょっと甘いというか、極端に言うとアメリカンドッグみたいな感じで私は好きです」
                    別「その通りです。ちくわを開かずに丸いままてんぷらにすると、筒状の内部に粉が入り込むので少しスナックっぽくなります。開いて揚げるとちくわそのものの味がより強調されるんです」
                    う「おおっ、正解した! なんかうれしいっす、プロフェッサー!」
                    別「はい、よかったですね」


                    志のんの醤油うどん冷たい麺は表面がなめらかで、かつ粉の力を感じるしっかりした食感。ところが『かけうどん』になると、じんわり染みるかけダシにやわらかめの食感の麺が出てくる。

                    お兄ちゃん「場所柄、お年寄りのお客さんが多いから、やっぱり『きつねうどん』や『てんぷらうどん』に人気があります」
                    別「それで温かいうどんは少しやわらかめに仕上げてるんですね」
                    お兄ちゃん「僕個人としては冷たい麺が好きやから、オススメするんやったら冷たい方ですかね」
                    セルフのおでんが店の中央に置いてあり、『凡蔵』のシンプルなメニューを踏襲した上でオリジナルを加えている。きっちりさぬきうどんらしさを保ちながらも、四天王寺界隈らしい地場感もあるいい具合のバランスで、今日も『志のん』は参拝客でにぎわっているのである。


                    | 大阪でさぬきうどん | 22:32 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                    中津の若き雌雄(雌の方)・たけうちうどん店
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                      『讃州』のオープンから約2ヵ月遅れの2006年8月、すぐそば(新御堂筋沿いに歩いて100mくらい)に新しいうどん屋が出来た。

                      たけうちうどん店の外観別「ここの大将は『やとう』で3年半ほど修行したそうです。ちなみに『讃州』から歩いても自転車に乗っても100mは100mですが」
                      う「チェック細かいなぁ」
                      別「すぐ見えるぐらいの距離にさぬきうどん屋が2店、立て続けにオープンするとは。中津エリアは熱い! とマニアの間でもっぱらの評判になっています」


                      オープンした10日後に訪れたら残念ながらお盆休みだったので、別府さんも今回が初めての訪問である。
                      う「『たけうちうどん店』って、ふとん店とかイメージしちゃうのは私だけでしょうか」
                      別「やわらかい印象の店名ですよね」
                      う「そりゃそうですよ、雌として紹介するんですから」
                      別「それは浦谷さんが勝手に決め付けてるだけじゃないですか(笑)」

                      たけうちうどん店のとり天ぶっかけ

                      店内のカウンターには細かいタイルが敷かれていて、ちょっとしたバー風になっている。ハンティング帽をかぶった大将の竹内くんは店の雰囲気にぴったりのお洒落な出で立ちでうどんを作っていた。
                      『きつねうどん(580円)』と、『更科』の大将が絶賛している『とり天ぶっかけ(680円)』を注文。なぜかカウンターには『桂ちゃん』の大将が座っていた。

                      う「ほんまにうどん屋さんたちってば、ものすごい交流してますねぇ」
                      別「『たけうちうどん店』と『讃州』も、ライバルというよりは一緒に頑張って中津エリアを盛り上げよう! と情報交換しているみたいです。面白いですよね」


                      しばらく待ってやってきた『とり天ぶっかけ』は、見るからにのびそうな艶やか麺。
                      にゅむにゅむっ、にゅるっ、むに〜っ!

                      う「なにこれ!? ええーっ」

                      別「うわっ、なんでしょうこの麺は!」

                      のびるのびる、もうのびのび!
                      普通にのびる麺の、もうさらに一押し上をいく尋常じゃないのび具合なのだ。

                      う「ちょっと待って、『きつねうどん』はどうなんやろ?」
                      のびーっ! イエーイあったかい麺ものびまーす!

                      たけうちうどん店のきつねうどん最初の口あたりは女性的なやわ腰なのに、いざ噛もうとするとのびてのびてなかなか切れない。
                      誘惑しておいてそうそう自分の思い通りになってくれないお姉ちゃんのようである。


                      別「その例えはどうかと思いますが・・・・・・」
                      う「いやはや、このお姉ちゃんは手ごわいっすね、あまりの色気に思わずテンション上がっちゃいました」
                      別「本当に。時代の先端を走っているかのような、今まで食べたことのない麺です。『やとう』とは全く違うタイプですね」

                      のびるだけではなく、濃い目のぶっかけダシを麺の表面がちょっと黒ずむぐらいがっちりつかんで連れてくる。どうなってるのかよくわからんが、とにかく驚愕としか言いようがない麺だ。ほんのりと赤いとり天も絶妙な味加減で、気づかないうちに丼が空になっていた。

                      う「ああ、もうなくなってしまった。悲しい」
                      別「私としたことが、つい夢中にさせられました」
                      う「別府さんはうどんやったらいつでも夢中ですやん。それにしても中津の若き雌雄対決、こりゃ判断できそうにありませんねぇ」
                      別「好みが分かれそうですが、どっちもすごいレベルの高さです。本当にこれからが楽しみです」




                      | 大阪でさぬきうどん | 22:43 | comments(3) | trackbacks(0) | - | - |