ワンうどん制(?)ライブハウス・な也
2006.10.22 Sunday | by 浦谷さおり
岡ちゃん「うちはワンうどん制とちゃいますよ(笑)うどんの注文は自由です」
う「ほなやっぱりライブハウスなんですか」
岡ちゃん「基本的にはうどん屋をやっているつもりです」
阪急王子公園駅から、地場感たっぷりの水道筋商店街を六甲方面に向かって10分くらい歩く。普段は商店街の中にある普通のうどん屋なのだが、ライブがある日は早めに営業が終わり、店の中にステージが出現する。自身もゴスペルを歌う岡ちゃんのネットワークで、関西では結構有名なアーティストが出演しているから、『うどんも食べられる変わったライブハウス』と認識している人も多いんじゃないだろうか。
う「私、実際に見たことがないんですが」
岡ちゃん「はいはい?」
う「お客さんがうどんをすすりながらソウルやジャズのライブを観ている図って、絵的におかしくないですか」
岡ちゃん「ちょっとええでしょ、まったり目で(笑)」
※イラスト:岡ちゃん(ゴスペルが似合いすぎ)
もう10年以上も前の話になるが、学生のとき、このすぐ近所に2年間ほど住んでいたことがある。そのときは今の『な也』がある場所には、お菓子のコトブキと小さなうどん屋さんがあったはずだった。岡ちゃん「それ、どっちもうちが経営してたんですわ。お菓子は50年前から、うどん・蕎麦の店は30年以上前から」
う「うわっ、それやったら老舗ですやん。ライブハウスやのに(笑)」
岡ちゃん「前はさぬきうどんじゃなかったんです。さぬきの麺でやろうと僕が始めたのが3年前で、ダシなんかは前の店のをちょっとアレンジしてます」
そう言えば前の小さな店のときに何度か食べに来たことがあるが、「うどんにしますか、蕎麦にしますか」と聞かれていたような気がする。
その頃はぶっかけうどんや生醤油うどんなんて知らなかったし、ダシがおいしいのが最優先だと思っていたし、うどん屋には大抵蕎麦もあるもんだと思っていた。
別「要するに、どんなメニューだったかはっきり覚えていないわけですね」
う「いや、おいしいうどん屋さんやなぁとは思ってましたよ。そんなもんですよ、学生やったんですから」
別「私が香川のうどん屋データを集め始めたのはちょうどその頃です」
う「別府さんと一緒にせんといてください(笑)」
『天ぶっかけうどん(850円)』と、すき焼き風の味付けをした温かいうどんにご飯がついた『煮こみ定食(700円)』を注文した。どっちも豪快な盛り付けで、しっかり量がある。ちょっと細めの麺は冷たくするとビカビカに輝き、ムニッと快感を覚える食感。
ぶっかけダシはそのままだと醤油がたっているが、生玉子が乗って出てくるので、混ぜて食べるとまろやかになってちょうど良い。
煮こみの方はまさしく関西の味、ホッとひと息つける優しい甘み。
う「むふーっ、あの水道筋商店街でこんなうどんが食べられるようになっているとは!」
別「ちょっと近所へ買い物に行った帰りにこのうどんが食べられたら、なんとも幸せですねぇ」
ちなみに私も別府さんもここで初めて聞いた『うん六(550円)』は、温かいざるうどんのことである。関西では古くからそう呼ばれているのだそうだ。
別「浦谷さん、前にあった店に来てたんだったら知ってるんじゃないんですか」
う「覚えてません(キッパリ)」
別「そんなもんですかねぇ・・・・・・」
岡ちゃん「ちなみに僕たちは白ご飯のことを『しま』と呼びます」
う「しま!? それも初めて聞きました。なんでですか」
岡ちゃん「さあ(笑)昔からそう呼んでたから」
納屋をイメージしてデザインしたというスタイリッシュな造りの店で、かつライブハウスでありながら、細かな部分のいたるところに老舗の片鱗を残している新古の妙が『な也』の魅力なのだ。








