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ふらっとひとり旅 (JUGEMレビュー »)
毎日新聞女性記者58名
2009年6月発売!毎日新聞で連載されていた旅の記事に、浦谷がイラストをつけました♪
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イラスト:浦谷さおり
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関西極楽さぬきうどん

関西のおいしいさぬきうどん屋めぐり
中津の若き雌雄(雄の方)・情熱うどん 讃州(さんしゅう)
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    讃州の外観25歳でフランチャイズのうどん店『得得うどん』として独立。5年間営業しているうちに「もっと自由に、もっとおいしいうどんを作りたい」という思いが強くなり、2006年6月に個人店としてリニューアルオープンした『情熱うどん 讃州』。とっても若く見える大将・久保くんだが、同じ地でうどん屋を経営して6年目になる。

    久保「前の店からの常連さんも多いんですけどね、『あれ、兄ちゃん、こっちの店でもバイト続けてるんかいな! よう続くなぁ』とか言われちゃって」
    う「ぶはは。だって大将、ほんまに若く見えますもん。お肌ツルツルやし
    久保「やっぱり学生と間違われたりするとちょっと悲しいんで、最近ヒゲを生やしてるんですわ」
    う「まぁヒゲを生やしてても若いですけどね(笑)」

    讃州のカレー釜玉
    うどん屋をやる前は割烹や創作料理の店で料理人として働いていた久保くんの作るうどんは、さすが素地がしっかりできているというか、『釜チャーシュー(780円)』や『カレー釜玉(750円)』などの創作系メニューにおいてもブレない芯の強さがある。

    別「こういううどんが作りたいんや! という主張が、どのメニューを食べても感じられるんですよね。自分の作る力強い麺に合う素材をちゃんとわかって選んでいるのだと思います」

    う「う〜ん、これぞ情熱うどん」

    讃州の釜チャーシュー
    別「このあたりはお昼どきにはサラリーマンのお客さんが多いでしょうから、こういう働く気力が湧いてきそうなうどんを食べられるのは幸せですよね。私がもしサラリーマンだったら近くに欲しい1軒です
    う「別府さんがサラリーマン!? 冗談はやめましょうよ、別府さんのどこを切り取っても金太郎飴みたく研究者系うどんマニアの顔しか出てこないっすよ
    別「どういうジャンルですか、それ」

    得得時代の面影を残す“2玉まで同料金でサービス”という設定も後押ししてか、お昼はいつも外まで人があふれている。働く気力を与えて欲しいサラリーマンがいっぱいいるのだ、たぶん(笑)。


    別「実は久保くんは、たけちゃんのお弟子さんなんですよ」
    う「ええっ! ていうか、何それ!? だって久保くんの方がうどん屋歴長いですやん」
    久保「個人店に変えようかどうか悩んでいるときに『釜たけうどん』のうどんを食べて、こんなうどんが作りたい! と思ったんですわ。それで、営業を続けながら2〜3ヵ月、師匠のところに研修に行かせてもらって」
    う「そうやったんですかぁ。あ、それで『ちく玉天ぶっかけ』があるのか」

    久保くんの亡くなった親父さんは香川出身の料理人で、年をとったら『讃州』という名でうどん屋をやりたいと生前に語っていたらしい。自分が『得得うどん』を始めてからそのことを知った久保くんは、「偶然とはいえ、血というか運命を感じて」今回の店の名前を決めたのだった。
    う「こんなエピソードまで男気にあふれてますな。まさに“雄”です」
    別「次につなげようという意図が見え見えですよ、浦谷さん」



    | 大阪でさぬきうどん | 19:56 | comments(0) | trackbacks(2) | - | - |
    釜揚げ道まっしぐら・桂ちゃん(けいちゃん)
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      桂ちゃんの外観

      桂ちゃん「ぶっかけとか釜たまとかはね、よう作らんのです」

      う「へ?」
      桂ちゃん「今年の新年会でいろんなうどん屋さんとお知り合いになるまでは、ぶっかけうどんって何? どうやって作るん? と真剣に思ってました」
      う「うそでしょう!?」
      桂ちゃん「いやマジで。他のうどんは知らんかったんですわ(笑)」


      叔父さんの店がこの本にも出てくる釜揚げうどんの老舗『一忠』。血統的に小さい頃からうどんと言えば釜揚げだった、という恐ろしく稀有な環境で育った桂ちゃん。ちなみに本名は桂治さん、ヒゲと雰囲気が一見コワイ人みたいだが超フレンドリーな人柄である。
      ※イラスト:桂ちゃん


      う「関西で生まれ育ったんやったら普通はきつねうどんですわな。あつ〜いおダシにあま〜いアゲです」
      別「確かにそんなイメージは無きにしも非ずですね」
      う「少なくとも私はそうでした。小学校の頃、半ドンの土曜日は吉本新喜劇を見て、お昼ごはんはお好み焼きかたこ焼きか、近所のうどん屋の素うどんでした」
      別「きつねと違うじゃないですか(笑)」
      う「今から思えば、面倒を見てくれてたおばあちゃんが微妙にケチってたんですわ。幼い頃の純粋な私は『おアゲさんの乗ってないうどん』と呼んでました。ピンク色で縁取られた薄いかまぼこが2枚、申し訳なさそうに乗っててねぇ。しょっぱい思い出です」
      別「やっぱり関西では『素うどん』と呼ぶのが一般的なんですね」
      う「あ、そうか! そういえば香川だと『かけうどん』ですね。気づかんかった」
      別「もう今は関西での呼び方もごっちゃになっている感がありますから。そういえばこういう法則もありますよ。『いなり寿司』と呼んでいる店は『ちらし寿司』、『きつね寿司』と呼んでいる店は『バラ寿司』と呼ぶ傾向が強いんです」
      う「へぇぇぇ、さすがプロフェッサー」
      別「それ、久々に言われましたね(笑)」


      桂ちゃんのメニューおにぎりとビールがある以外は『一忠』と全く同じメニューで、オリジナルの冷凍うどんがあるところまで一緒。由緒正しき系列店なのだが、ひとつだけ大きく違うところがある。
      桂ちゃん「うちは『豆だぬき』が1玉半、『たぬき』が2玉、『おたぬき』が3玉。いわゆる大・中・小ってな感じです」
      う「なんでそんな呼び方にしたんですか」
      桂ちゃん「なんかちょっと違う名前にしたいな〜と思って、店を見渡したら入り口にいる信楽焼きのたぬきが目に入って
      う「ぶっ。深い意味があるのかと思ったら、もっのすごい思いつきですやん(笑)」
      そんなわけで誰もが気になるあの呼び方には、あまり意味はないらしい。


      桂ちゃんの釜揚げうどん豆だぬき控えめに『豆だぬき(500円)』と夏季限定『ざるうどんの豆だぬき(500円)』、ついでにおにぎり(100円)を注文すると、おもむろに桂ちゃんは打ち台に向かい、麺を切りだした。
      別「他のうどんは作れない、というのは、釜揚げに対して徹底的に自信があるからこその言葉です」
      う「うん、打ち台の前に立った途端に真剣な渋い顔つきに変わりましたもんね」
      別「実は『一忠』のお弟子さんの店はたくさんあるのですが、その中でも桂ちゃんはかなり本家からアレンジを加えて自分の味を追求しているようですね」
      う「関西で釜揚げうどん文化を切り開いた『一忠』の影響をモロに受けて育った第2世代『桂ちゃん』のうどんかぁ。バックグラウンドの話だけでおかずになりますね」
      別「どっちの店もトッピング類がないですから、てんぷら代わりということで(笑)」

      などと話しているうちにうどんがやってきた。まずはつけダシに口をつける。
      う「むほほほ! こりゃこりゃ。ほんまに『一忠』とはだいぶ違いますね」
      別「余分なものを全てそぎ落とした試合前のボクサーみたいですよね、このつけダシ」
      う「うん、めっちゃストイックでたまらん旨さです〜」
      『一忠』よりだいぶ濃いのだが、こっちもほんまに秀逸。ギリギリまで甘さを控えた、胃にガツンとくるパンチ力である。

      桂ちゃんのざるうどん土地柄もあって甘めの味付けが多い関西でこの味が出せてしまうところが、釜揚げで育った第2世代の底力かもしれん。麺も、釜揚げの場合は食べているうちにぼってり粉っぽくなりがちだが、1本筋が通った潔さが最後まで残っている。

      桂ちゃん「つけダシを徳利に人数分より多めに入れてお客さんに出すんですけどね、全部飲みきって帰る人がちょくちょくいてはるんですわ
      う「この徳利のダシを全部!? それはさすがに塩分取りすぎですよ、体に悪い!」
      別「そのツッコミ、何か違うと思いますけど」

      全部飲んだら絶対塩分取りすぎです、注意してください(笑)。ざるは細うどんで、こちらももれなくストイックなダシがよく似合うしっかり者。おにぎりは握りたて。メニュー全てが完璧なる仕上がりの、間違いなく“専門店”である。


      | 大阪でさぬきうどん | 23:01 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
      ザ パイオニア オブ 釜揚うどん・一忠(いっちゅう)
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        別「なんちゅう見出しですか」

        一忠の釜揚うどん(細うどん)う「えへへ。かっこつけて英語使って間違えてたらイヤなんで、いちおう辞書で調べてみました。開拓者の意味ですよ、パイオニアって」
        別「はい、知ってますよ。でもわざわざ英語にする必要ないと思いますけど。別にかっこよくないっていうか、逆にかっこ悪いし。この見出し」
        う「何を言うんですか! 私はね、大将の話を聞いてアメリカのフロンティアスピリットに近いものを感じてしまったのですよ。そやからここは、英語やないとあかんのです。しかも“パイオニア”の前は“ア”やなくて“ザ”です」
        別「要するにあれですね、釜揚げうどんのおいしさを関西の人に広めたい!という一心で若い時代を駆け抜けた大将の話に感動したと言いたいわけですね」
        う「そゆことです」
        別「もうちょっとわかりやすく表現してください」


        一忠の釜揚うどん昭和47年に『一忠製麺所』を開業。18歳の頃から近くの製麺所で働いていた大将、妻子を抱えての若い独立であった。製麺所の仕事は朝が早い。3時から働き、楽しみは6時過ぎに食べるゆでたてのうどん。

        出来立てのうどんはなんてうまいんだ! このおいしいうどんをなんとかしてお客さんに伝えることはできないのか? 

        『釜揚げうどん』という名前が付いていることすら当時は知らなかったが、とにかく普通にゆで麺を売っていることにジレンマを感じるようになっていった。

        大将「それで、わけもわからずぶっつけ本番でさぬきに突入してなぁ。タクシーの運転手さんが連れていってくれたのが『長田うどん』。たまたま偶然、釜揚げうどん専門店やったんや。
        数ヶ月通ってやっと修行させてもらってな。その頃うちの奥さんは2人目の子ども産んだばっかりやったんやけど、修行に行ってるあいだは1ヶ月の乳飲み子と1歳半の子ども抱えて製麺所を切り盛りしてくれた。今考えたらむちゃくちゃや」

        一忠の外観
        一忠の薬味

        その後は住宅街の中にある製麺所を店に作り変え、大阪では誰も知らない『釜揚げうどん』の看板を掲げて、夫婦2人でただ必死に作り続けてきた。お客さんに何を言われても釜揚げうどんだけで勝負してきた。
        製麺所時代からのお客さんのために持ち帰りのうどん玉も納得のいくものを求めて、自家製冷凍うどんの試作をまだ一般に出回っていない頃から繰り返し、今では『一忠』系列店の名物にまでなっている。

        大将「情熱だけは負けへんかったけど食べていかなあかんし、最初はほんまにきつかった。そやけど徐々に認められるようになってお客さんもわかってくれてなぁ。今年で33年目になるけど、あっという間やった」


        う「一大感動巨編ですがな。もううどん食べんと帰ってもええぐらいです」
        別「それは嫌ですけど。でもほんと、ドラマ化の話が来たらどうしましょう」

        そんなわけで『一忠』には釜揚げうどん以外のメニューはない。ごはん類も一切ない。夏季限定で『ざるうどん』が登場するのと、昆布の炊いたんと、かつおの炊いたんがサービスで置いてあるだけである。

        いりこがほのかに香る絶品つけダシはじんわり五臓六腑に染みわたり、コシの強すぎないやさしい麺はいくらでも食べられる。小だと絶対足りないから、女性でも大か特大の注文を。

        う「マジで文句なしにうまいです」
        別「私は特大でも足りません。大将の心意気と一緒にお召し上がりください」

        ※「釜揚うどん」と「げ」抜きで表記するのが『一忠』流。
        ※大将作詞の歌、「うどん一代俺の道」の歌詞とイラスト
        | 大阪でさぬきうどん | 22:47 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
        散りばめられた高い美意識・瀬戸香(せとか)
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          瀬戸香の七彩カレーうどん
          う「これはもしや、素揚げバナナではないですか」
          別「ほっほー。斬新ですねぇ」

          『七彩カレーうどん(1,260円)』、値段がはるだけのことはある。見るからにスパイシーそうなスープカレー風のダシにプチトマトやゆで卵、素揚げされたナスなどがトッピングされ、豪華そのもの。しかもごぼうサラダとコーヒーゼリー付。まずはスープ(と呼びたくなる)をひとくちすすってみた。


          う「うはっ、辛いっす! さらっとしてるんですが、ノドを直撃する辛さですわ。バナナ絶対必要です・・・・・・って、聞いてます? 別府さんてば」
          別「ぞぞ〜っ、ぞぞ〜っ。はい? 何か言いましたか? ちょっと待ってください、これめちゃくちゃおいしいんです」
          う「めちゃくちゃおいしいんやったら味見させてくださいよ!」

          瀬戸香の磯辺うどん別府さんが食べているのは『瀬戸香風 磯辺うどん(780円)』である。冷たいぶっかけに海苔を巻いたちくわ天、わさび味のめかぶ、うずら卵がトッピングされている。こちらもビジュアル的に非常に美しい。
          別「あ、そうでしたね。ちぇっ。あとひとくちしかありませんが、どうぞ」
          う「イヤなんかい! ていうか、あとひとくちしかないんかいっ!」

          まだ麺に手をつけていないカレーうどんをとりあえず別府さんに渡して、磯辺うどんを取り上げた。
          う「ほんとにもう、1分ほど目を離してたら食べきっちゃうんですから」

          ずるずるずるっ。んんっ!? ずるずるずるずる〜〜っ

          う「んがーっ! ウマー!!」
          別「ね? ぞぞ〜っ、ぞぞ〜っ、そのトッピング、ここの麺とダシにめちゃくちゃ合ってますよね。ぞぞ〜っ、ぞぞぞぞ〜っ、絶妙なさじ加減ですよね」
          う「もっと食べたかったなぁ・・・・・・って、おいこら、カレーうどんも食べきる気か??」
          別「あ、まだいりました? これ」
          う「まだ食べてませんっ!!」


          麺は心地よくにゅるにゅるとのびてムチッと切れる、流行の洗練系細麺。ダシはほんの少しいりこが入っているが上品にまとめられている。なによりアレンジの仕方に現代的なセンスを感じる今風メニューばかりだ。

          瀬戸香の外観大将「うどんにも内装にも、ちょっと品のいい感じを出せたらいいなと思って。脱サラで始めた商売なんです。前はアパレルの会社員をしていました
          う「ああ、もうなるほど! って感じですー」
          別「確か今年のうどん新年会にいらっしゃっていましたよね。あれって、この店をオープンする前ですよね?」
          大将「はい、『釜たけ』のたけちゃんに呼んでいただいて参加したんです」
          別「あれ? たけちゃんのお弟子さんじゃないですよね?」
          大将「修行らしい修行をしたわけではないんですが、ご好意で『釜ひろ』さんに1ヶ月だけお世話になりました」
          う「ひろちゃんの店ですか! そしたら言ってみれば、たけちゃんの孫弟子・・・・・・」
          別「でも『釜たけ』『釜ひろ』ラインとは確実に違ううどんで勝負していますね」
          大将「ほんの1ヶ月ですから、商売の流れだけ教えていただいた感じです。あとはもう、毎回悩んだり壁にぶつかりながら、自分の感性を信じてやってます」
          もともとこの辺りに住んでいて、自宅の近所で店を探したという大将。週2,3回お姉さんが手伝いに入っているのだが、2卵生双生児ぐらいの勢いでよく似ているからすぐわかります(笑)


          | 大阪でさぬきうどん | 22:35 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
          香川の匂いを嗅ぎに行く・ふぅふー亭
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            別「『ふぅふー亭』といえば釜揚げうどんの老舗なんですが、私のおすすめはざるうどんです。ぶっかけもイケますよ」
            う「ほぉほぉ」

            ふぅふー亭の外観空堀商店街から少しはずれて、地味な路地を曲がると地味に店がある。風景に馴染んだ“昔からそこにあるうどん屋”の佇まい。
            入り口付近に麺打ち台と麺切り機とレジ、かすかに小麦粉の匂いがする。隅の方には生姜のダンボール箱が積んであって、厨房の中で50代くらいの女の人がふたり、家族のようなゆるい空気を醸し出しながら手慣れた感じでうどんを作っていた。

            う「うわぁ。店の中がまるごと香川ですやん!」
            別「そうなんですよ。気負いのなさというか、雑然とした感じが香川のうどん屋そのものでしょう。さぬきうどん好きにはたまらない店です。この空気に触れたいがためにやってくる人も多いはずです」


            ふぅふー亭の釜揚げう「釜揚げ、ざる、ぶっかけがおすすめでしたっけ。うーん、どれにしようかな」
            と言いながら壁に貼ってある手書きのメニューを見てずっこけた。
            う「釜揚げとざるとぶっかけしかないがな! ええかげんな勧め方せんとってください(笑)」
            メニューは3種類で、各大(800円)・中(700円)・小(600円)。釜揚げだけファミリーサイズの特大(1,500円)がある。一瞬で把握できる、いたってシンプルな構成。これまでメニューが多くて決めるまでに時間のかかる店ばかりに行っていたので、とっても新鮮に感じる。てんぷらもごはんもないのだ。気持ちがいいくらいの潔さである。


            釜揚げとざるを注文すると、お茶とおろし金と生姜が3点セットで出てきた。
            う「ひゃー、このおろし金! 香川度さらにアップですねぇ」
            別「でも生姜の皮がちゃんとむいてあるところが大阪らしい気遣いですね」
            う「あ、ほんまや。さすが別府さん、チェックが細かい(笑)」
            ※イラスト:おろし金と生姜


            ふぅふー亭のざるうどんしばらく待って出てきた釜揚げうどんは、ちょっと細めで粉を感じるしっかり&もっちり系の麺。ざるうどんは麺が几帳面に一方向に向かって並べてあるのが美しい。
            つけダシは器の底が見えるくらいの透明度があって、ざるうどんのダシにはうずら卵が入っている。

            う「もし香川に住んでたら、“小さい頃からよく食べていた近所のうどん屋の味”ってこういう感じなんですかね」
            別「イメージとして言いたいことはわかります。生活に密着した味というか

            基本的にはご夫婦で切り盛りしているが、ご主人が体調を崩してしまったため最近は奥さんのゆうこさん中心でやっているとのこと。あうんの呼吸で働く身内のような雰囲気のパートさんたちは案の定、みんな10年選手である。「故郷で食べるうどんが食べたい」と香川出身のご主人が言い出したところから始まった『ふぅふー亭』。最初のコンセプトを恐ろしいほど見事に具現化し、貫いている姿勢はあっぱれとしか言いようがない。


            | 大阪でさぬきうどん | 21:13 | comments(1) | trackbacks(0) | - | - |
            粋なアレンジうどん・春菜(はるな)
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              春菜の外観う「これはまた垢抜けた、ギャラリー風な内装の店ですねぇ」
              別「女性誌に載りそうな、うどん屋らしからぬお洒落な店でしょう。でも実は『更科(さらしな)』で修行された人がうどんを作っているんです」
              う「さらボン父のお弟子さんですか! なるほど、それは楽しみですねぇ」

              まず出されたお茶がルイボスティーだった。うどん屋では麦茶とかほうじ茶とか番茶とか日本語名の慣れ親しんだお茶しか出てこないと思っていたので、もの珍しさにとりあえず飲み干しておかわりをしてみる。
              別「貧乏性ですね」
              う「はい、おかげさまで」
              別「ルイボスティーって何のお茶でしたっけ」
              う「なんかわからんけど体に良かったような気がします」
              別「じゃあ私もおかわりを」
              う「するんかい!(笑) 別府さんてめちゃくちゃな量食べるのに、意外と妙なとこで健康に気を遣ってますよね。おでんはいっつもコンニャクやし」
              別「ヘルシーな感じがするでしょ、コンニャク。ローカロリーで」
              う「てんぷらモリモリ食べてたらおんなじちゃいます?」

              春菜の釜玉ねぎうどんまぁそんなことはいいとして、メニューを見ると上品な創作系のアレンジうどんが並んでいた。
              う「白味噌ベースのだしに黒豚の角煮とレタスをのせた『白肉饂飩(930円)』、やって」
              別「おいしそうですね! さらボン父も創作メニューが得意ですし、きっとイケますよ」
              う「なんかでも、いたるところに女性っぽい心配りを感じるんですが。お弟子さんって男の人ですよね?」
              別「うん、そう言われてみると確かに・・・・・・少しイメージにズレが(笑)」


              女将「恥ずかしいんですけどね、私がいちおう女将をやらせてもらってるんです」
              う「えっえっ、女将さんですか? 大将の奥さんではなくって??」

              ルイボスティーのおかわりを持ってきてくれた女性に取材のお願いをしてみると、こんな答えが返ってきたのでちょっとうろたえてしまった。今までのさぬきうどん屋が全て経営者=大将(男性)だったせいで、さらボン父のお弟子さんが大将だとばっかり思い込んでいたのだ。

              『春菜』は女将さん、女将の弟さん、『更科』で修行したチーフ土佐さんの3人で力を合わせてオープンした店なのだそうだ。実家が寿司屋で、幼い頃から365日中360日はお昼ごはんがうどんだったという女将さん。そのうちダシにも色々凝りだし「うどん屋をやりたい」と思うようになったらしい。

              女将「おいしいうどんを作ってくれる土佐さんと、うどん好きの姉弟のコンビネーションでなんとかやってるんですよ」
              ※イラスト:ちゃきちゃきしていてよく笑う、明るくてべっぴんの女将さん


              春菜の竹輪天生醤油うどん白肉饂飩が残念ながら売り切れていたので『竹輪天生醤油うどん(690円)』と『釜玉ねぎうどん(680円)』を注文。いずれもステキな大ぶりの器に盛り付けられて出てきた。鯛の身入りの竹輪天は身が厚くてプリプリしている。女将さんいわく、かきあげと竹輪天が大きく、食べ応えがあっておすすめなのだそうだ。『釜玉ねぎ』はその名のとおり、麺が見えないくらいどっさりとネギが乗った、ネギ味で食べる釜玉うどんである。

              別「にゅるにゅるとのびる、洗練された食べやすい麺ですね」
              う「うん、おいしいですー。今日はちょっとええ店でええもん食べた、っていう得した気になりますね(笑)」

              夜の部はおばんざいやうどんをアテにお酒が楽しめる居酒屋メニューに変わる。遅い時間に開いているうどん屋は数少ないので貴重です。

              | 大阪でさぬきうどん | 21:41 | comments(2) | trackbacks(4) | - | - |
              感性で作る華やかうどん・唐庵(とうあん)
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                唐庵の外観
                う「うおっ、住宅街の中なのに店の前だけ行列ができてますよ」


                JR茨木駅からバスに揺られて約10分。別府さんも私も車を持っていないから公共交通機関を使っているが、ほとんどの人が車か徒歩でやって来ているようだ。マンションの1階にあって、ちょっとお洒落な店構え。


                う「『釜あげ饂飩(うどん)唐庵』って書いてありますけど、釜あげがおいしいんですか?」
                別「あれ? ほんとですね。おかしいな」


                店に入るとカレーのいい匂いがぷぅんと漂っている。
                唐庵のきのこカレーうどん大将「店名には釜あげ饂飩と書いているんですが、ほとんどのお客さんがカレーうどんかぶっかけを注文されますねぇ
                別「やっぱり! でも、もしかして最初は釜あげをメインに考えてたんですか?」
                大将「いや、全然(笑) オープンした頃はこの辺りのお客さんはまだ、さぬきうどんのことなんて知らない人がほとんどだったんですが、『釜あげ』って言葉にはゆでたてのイメージが昔から関西でもあるでしょう? 釜からあげたばっかりの、ゆでたてさぬきうどんを提供していますということが言いたかったんです」
                別「メニューのことではない、と」
                大将「そういうことです」
                う「まぎらわしーい(笑)」
                大将「もちろん釜あげもオススメですよ、うち(笑)」

                そんなわけでオススメはカレーうどんとぶっかけである。
                私が『きのこカレーうどん(780円)』、最近かしわ天にハマっている別府さんが『かしわ天ざるうどん(980円)』を注文した。

                う「別府さん、ほんまかしわ天に目がないですねぇ。見つけたら絶対頼んでますやん。そういえばここのところ、マニアの方々の間でかしわ天ってやたらと流行ってないですか?」
                別「別に流行っているわけではないですよ。メニューに載せる店が増えてきたので確かに話題にのぼることが多いですが・・・・・・なんというんですか、古来男性というものは唐揚げに非常に魅力を感じるようにできていると言いますか。かしわ天への欲求が本能にインプットされていると言ってもいい感じで。でも唐庵は違いますよ! ここの大将は香川の『はりや』で修行された方なんです。『はりや』と言えばかしわのてんぷらです。頼まないとソンなんです」
                う「そうですか。熱く語っていただきありがとうございました」
                別「いやほんと、『はりや』で修行した人のお店でかしわ天を食べないなんてもったいないとしか」
                う「はいはい」


                唐庵のかしわ天ざる
                話が盛り上がっているうちに運ばれてきた『かしわ天ざる』を見て、思わず生唾を飲み込んだ。
                う「うわっ、めちゃくちゃウマそ〜! なんで自分だけミニ鶏そぼろ丼までセットで注文してるんですか」(※注:平日の昼のみセット注文可能)
                別「ふっふっふっ、これは食欲をそそる見た目ですねぇー」

                ぞぞ〜っ! ぞぞ〜っ!(別府さんのうどんをすする音。勢いがありすぎていつもこんな音になっている。いつ噛んでいるのか未だにはっきりしない)

                う「ちょっと待って、こらっ! もしかして食べきるつもりじゃないでしょうねっ」
                別「ハッ! ダメですよ浦谷さん、そういうことは食べ始める前に言ってくれなきゃ。ほら、あとひとくちになってしまったじゃないですか。仕方がないからあげます」
                う「で、どうですか。『かしわ天ざる』は」
                別「感動的においしいですよ。何度食べてもすごい」

                もちろんこのあとカレーうどんも食べたが、別府さんの言うとおり、ここのはほんまにすごい。麺がどうの、ダシがどうのというコメントをいちいちするのが面倒くさくなるほど旨い。
                全体的にハイレベルな位置で味のバランスが取れているから、幸福感に近い満足感が得られるのだ。そぼろ丼まで絶妙な味に仕立ててある。


                うどん屋になる前はイタリアンとフレンチのシェフをしていた大将。おじいちゃんが高松に住んでいたので、幼い頃からさぬきうどんをよく食べていたらしい。

                縁あって『五右衛門』で修業ののち『はりや』で修行。現在店で出しているカレーうどんのベースは『五右衛門』、もちろんかしわ天は『はりや』である。さぬきうどんブームのきっかけとなった『恐るべきさぬきうどん』の著者、麺通団団長・田尾和俊さんが「関西でいちばんおいしい」と言った店でもある。


                別「ここのを食べると、関西のさぬきうどんは香川と違った意味でレベルが高い! と思えますね。うどんがひとつの料理として昇華している感じがします」
                う「確かに。完成度が高いです。しかもうどんに華がありますよね」
                別「私が思うに、唐庵の大将は料理人としての感性とか才能が飛びぬけているのではないでしょうか。コツコツ地道に研究して作っている感じじゃないんですよね」
                う「新しいメニューに挑戦してもなんなく、めっちゃおいしいものが作れてしまいそうな」
                別「まぁそういうことです。ああ、それにしてもおいしかったー」


                ※イラスト:セルフサービスのおでんもあります
                | 大阪でさぬきうどん | 23:46 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
                データに裏打ちされた理系うどん・皐月庵(さつきあん)
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                  別「これから行く皐月庵の大将はもともと技術屋の理系肌で、すべて自らが数値化したデータに基づいて緻密にうどん作りをしているんですよ。これ以上ないほどの超こだわり派、科学的に分析されたうどんなんです」
                  う「か、かがくてきにぶんせき、ですか。話についていけるかなぁ」
                  別「おいしいかどうかだけで十分じゃないですか(笑)1日40玉限定なので急ぎましょう」

                  40人ではなく、40玉である。1玉の量はそれほど多くないので、例えば1人で3玉や4玉食べる元気はつらつサラリーマンが10人来たら売り切れになってしまうのだ。それは急がねばならん!

                  別「1人で5玉食べる常連さんもいるそうですよ」
                  う「げっ。ダメですよ、そんなことしたら都合8人しか食べられないじゃないですか!」
                  別「その計算、あまり意味がないように思うんですが」

                  う「ふむ〜。しかしそれって、儲けになるんですかねぇ」
                  別「あれだけ素材にこだわって時間をかけて仕込みして、値段的には関西では普通ですからね。儲けはあまり重視していないんじゃないでしょうか」
                  う「そんな・・・・・・もしかして半分道楽?」
                  別「マニアの間ではひそかにそう言われています。ありがたい道楽ですよね、関西の宝です」



                  皐月庵の外観店の入り口には「ぶっかけうどん」と大きく書かれたのれんが掛かっているが、もっぱらの名物はカレーうどん(700円)だそうな。

                  別「20種類以上のスパイスを調合して、何ヶ月も寝かせたカレー粉を使ってるんですよ」
                  う「さっきから話を聞いてるだけで、ものすごい唾液分泌量が増えてるんです〜! 早く食べさせてちょうだい」

                  注文して待つことしばし。厨房でタイマーが何度か鳴り、時間どおりに仕上げられたはずのベストな状態のうどんがやってきた。1杯1杯が大将入魂の1品であるがゆえ、ここで写真なんか撮っているヒマはない。ましてや、一緒に行った人のうどんが来るまで手をつけないで待っているなんてことは言語道断なのだ。特に温かいメニューを頼んだ場合は連れが上司でも先に箸をつけましょう。

                  皐月庵のカレーうどんう「いっただっきまーす! はふっ、はふっ、ふおっほっほっほっ

                  まずスパイスの心地よい香りが鼻をくすぐって、辛いか?と思ったあたりで野菜の甘みやだしの旨みが辛さを中和していく。麺はダシをほどよく連れてくる表面をしていて、細めのもっちり系。ふむ〜、これが計算され尽くした味というものなのか。


                  大将「さぬきの麺に関西のかけダシ、関東のつけダシ。各地域のいいところを取ったうどんを作ろうと思ったんですわ」
                  う「相当こだわっていらっしゃるとか」
                  大将「うどんはね、配合が1%違っても、熟成温度が1℃違っても全然違うものになるんです。だから毎日同じ状態になるよう、素材を見極めながら努力し続けないといけない。そのためやったら徹夜するときもありますよ」
                  う「ほえ〜、そりゃすごい! 大将のおすすめのメニューはなんですか?」
                  大将「そうやなぁ、カレーが人気やけど、うちは野菜のおいしさもウリやから弥生うどん(500円)も個人的におすすめかな
                  う「弥生うどん?」
                  大将「皐月うどん(650円)は肉と野菜とあげがちょっとずつ入ってるんやけど、それの肉抜きが弥生うどんなんですわ」
                  う「皐月は5月ですよね、弥生は3月・・・・・・4月が抜けてません?」
                  大将「そう、最初は卯月うどんにしようかと思ったんやけど、なんとなくゴロが悪いからな」
                  う「わはは。ネーミングに関してはえらい感覚的なんですね(笑)

                  うどん屋さんたちの中でも「あそこまでこだわれるのはうらやましい」と崇拝者が多い皐月庵、あまり目立たない場所にあるが探して行ってみる価値は十分にある。
                  | 大阪でさぬきうどん | 17:46 | comments(3) | trackbacks(1) | - | - |
                  たけちゃんとめぐる大阪その3・ゆきの
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                    たけ「もう1軒行きましょう。最近移転された『ゆきの』さんはねぇ、もうとにかくすごいんですから
                    別「ほんと、『ゆきの』さんはすごいですよね。職人というか」
                    う「え、なになに? 何がすごいんですか??」

                    ゆきの外観たけ「ご夫婦で経営されていて、移転する前からいつも行列ができていた人気店なんですが、ご主人ひとりで厨房内のことを全部やってるんですよ。うどんやてんぷら類はもちろん、丼ものもあるというのに!」
                    う「それってすごいことなんですか?」
                    たけ「あの忙しさからすると考えられない神業です。どうやってさばいているのか、想像しただけでも目がまわりそうだ」

                    別「だから移転されても席数を増やさなかったみたいです」
                    う「ええっ、せっかく移転したのに席数を増やさなかったんですか? もったいない」
                    たけ「厨房も以前と全く同じ配置です。きっと、ご主人がよどみなく動けるベストの配置なんだと思います」
                    う「ん? じゃあ結局、移転しても何も変わってないですやん」
                    たけ「以前は西田辺にあったので、場所がずいぶん変わっていますね(笑)あとは、店が新築でピカピカになった」




                    午後1時半。行列に並んで麺の売り切れ寸前ギリギリに店にすべりこむと、高級てんぷら専門店のような油のいい匂いが充満していた。この匂い、ここのてんぷらは絶対うまいに違いない。天ぶっかけうどん(700円)と釜揚げうどん(500円)を頼む。

                    ゆきのの天ぶっかけう「うっはー! てんぷらたっぷりでおいしそー!! エビ天が丼からはみだしまくってますがな」
                    別「麺が丸いですよね」
                    う「ほんまや、さぬきうどんは四角い切り口の麺が多いけど、ここのは丸いですね。けっこう太めで透明感も少なめかな」

                    ズルズルッ、モニッ。うっま〜い! なんか知らんが胃が喜ぶうどんだ!!

                    見た目からいって喉越しがもうひとつかな、と思ったが全然そんなことはなく、すんなり口に入ってくる。麺の太さが全く気にならない。最初のアタリが柔らかく、中は適度なコシでもっちり。てんぷらは期待どおりサクサクで香り高く、言うことなしである。



                    ゆきのの釜揚げうどん別「ダシは関西風ですね。ちょっと釜揚げも食べてみてください」
                    う「ズルズルッ。あれ? なんで?? ぶっかけの冷たい麺と釜揚げの温かい麺がほとんど同じ食感だ!
                    別「普通は冷たいのと温かいのは食感が違って当然なんですが、『ゆきの』さんのはびっくりするぐらい似た感じに仕上がっています。ゆで時間の調節だけでここまで合わせられるかな・・・・・・。このあたりが職人を感じさせますねぇ」

                    これならおいしいと評判になって当然だな、と素直に思える。全体的に関西人のツボをついた味にまとまっているのだ。
                    う「別府さん、でもこれ」
                    別「あ、やっぱりそう思いました?」
                    う「さぬきうどんなんでしょうか」


                    ご主人「移転とともに、看板から『讃岐』の文字をはずしました。ブームにのっかるんじゃなくて、地道にうどん屋をやりたかったんです。目指しているのは、大阪の人においしいと思ってもらえる地元に根付いたうどんです」
                    う「あちゃ〜、移転前と移転後ではそんな大きなところが変わってたんですね」

                    営業中は常に忙しいため真剣な表情のご主人と奥さんだが、実はにっこりと笑った顔がとっても愛らしいラブリーカップルである。麺が売り切れたのでやっと話を聞くことができた。
                    ※イラスト:笑顔の大将と奥さん


                    う「実はこれ、さぬきうどんの本なんですけど・・・・・・どうしましょう」
                    ご主人「もともとさぬきから入ってますから、基本的な作り方はさぬきなんですが。載せるかどうかはお任せします。どちらでもいいですよ」
                    別「メニューは以前と変わってないし、さぬきうどんとしても十分高いレベルなのは間違いないですね」
                    う「難しいことはわかりませんが、おいしいから載せましょう〜」
                    | 大阪でさぬきうどん | 07:40 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                    たけちゃんとめぐる大阪その2・美曽乃(みその)
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                      美曽乃の外観
                      たけ「そしたら次は美曽乃さんに行ってみましょうか。大将は香川の『八十八(やそば)庵』で修行された人で、注文が入ってからうどんをのばして、切って、ゆでるんです。すごいでしょう
                      う「おおっ、のばすところから始めるんですか?」

                      注文が入ってからゆでる店は関西のうどん屋では結構多いが、のばすところから始めるとは珍しい。
                      「のばしたて、切りたて、ゆがきたて」の3たてというそうな。


                      う「蕎麦で挽きたて、打ちたて、ゆがきたてというのは聞いたことがありますが。その方がおいしいんですか?」
                      たけ「かなり思いどおりの状態で麺がお客さんに出せることは確かです。ただ、そうすると厨房がてんやわんやになるし、だいぶお客さんを待たせることになるのでなかなか美曽乃さんみたいに実現できないですよね

                      うどんが好きで好きで、脱サラして修行に行ったという大将。だからこそのこだわりがそこにあるのだろう。理想の麺を目指して黙々とうどんを打つ気難しそうなおやじさん、というイメージを浮かべながら店に入る。


                      美曽乃のジャージャー麺大将「あ、釜たけさん! 来てくれはったんですか、どうぞどうぞ!」
                      ガクッ。めっちゃ柔和な、たぬきの置物みたいにいい顔してはりますがな。
                      お昼を外れていたので他にお客さんは一組だけで、大将は休憩中だったようだ。

                      大将「お客さん見てからうどんをのばすと言うても、そないにたいそうなことやなくて、まぁあれですわ。若い男の子やったら大盛りになるし、こりゃ多くゆですぎたなぁと思ったら捨てるし。ええ加減なんですわ(笑)
                      う「あはは、そんなこと言うたら若い男の子ばっかり来ますよ」
                      大将「ええねんええねん、おなかいっぱいになってもろた方がええからなぁ」


                      美曽乃の牛すじカレーうどんなんとも力の抜けた、ええ感じである。メニューを見てもぶっかけや生醤油の他に『豚角煮うどん(800円)』、『牛すじカレーうどん(800円)』といったボリュームたっぷりな創作系が並んでいて、確かに若い男の子に喜ばれそうだ。

                      う「この、メニューに載ってる『打ち込みうどん』ってなんですか?」
                      別「香川の家庭料理で、ゆでる前のうどんを味噌仕立てのお汁に入れて炊いたものです。『八十八庵』の名物メニューにもなっていますね」
                      う「へぇぇ。じゃあ『団蔵うどん』は?」
                      別「それは細いざるうどんのことです」
                      う「いろいろあるんですねー。さすがプロフェッサー、勉強になりまっす」
                      別「知っていても特に人生に役立つわけではありませんが」


                      美曽乃の団蔵うどん

                      たけちゃんが牛すじカレーうどん、別府さんがジャージャー麺、私が団蔵うどんを注文。大将はその場で麺の太さを変えながら切って、出してくれた。団蔵うどんは細切りとはいえ固めのしっかり麺で、なのにするっと胃に入ってくる不思議な心地よさ。あっさりしたつけダシがさわやかな初夏の味である。



                      別「それ、たまたま今が初夏だからじゃないですか」(この日は5月末でした)
                      う「ギクッ。あんまり深くツッこまないで下さいよ、コメント下手なのに頑張ってるんだから〜」
                      ※イラスト:麺を切る大将


                      ちなみに店の壁には台湾語で書かれた大将の顔写真入りポスターが貼ってあるが、決してシャレで作ったわけではない。台湾の百貨店に招待されて何度も出店しているのだ。

                      大将「1日800食をひとりでさばくねんで。台湾の人らはいろんな反応してくれるし、おいしいって毎日食べに来てくれる人もおったりしてな。大変やけど面白いんや〜」
                      イベント好きで面白いこと好きの大将ゆえ、台湾や他の百貨店に出店しているときは店を閉めているのでご注意を。
                      ※イラスト:台湾のポスター
                      | 大阪でさぬきうどん | 01:26 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |