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毎日新聞女性記者58名
2009年6月発売!毎日新聞で連載されていた旅の記事に、浦谷がイラストをつけました♪
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イラスト:浦谷さおり
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関西極楽さぬきうどん

関西のおいしいさぬきうどん屋めぐり
たけちゃんとめぐる大阪その1・釜ひろ
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    関西のさぬきうどん屋に限って言えば別府さんより顔が広いと思われる「釜たけうどん」のたけちゃんに、なじみの店を紹介してもらおう!ツアーをすることになった。

    う「たけちゃん、今日はわざわざ車まで出してもらってすんません。よろしくですー」
    たけ「普段から店の定休日(月曜日)には他のうどん屋を食べ歩いてるから、別に気にせんでいいですよ。よろしくお願いします」

    釜ひろ外観別「さっきたけちゃんと相談して、まずはたけちゃんの一番弟子、ひろちゃんの店に行こうということになりました」
    う「ひろちゃん、ですか。店の名前は?」
    たけ「『釜ひろ』と言います」

    う「あまりにもそのままですがな。わかりやす〜い(笑)」


    ひろちゃんは「釜たけうどん」のオープン3ヵ月後に研修にやってきた、まさしく一番弟子だ。その後1年弱で独立。
    というか、オープンしたての店に修行に行こうなんて酔狂なこと、普通思うか?

    ひろ「以前から店長(たけちゃん)のサイトをよく訪問していたんですよ。だから、オープンしたてでも“よく知っている店”という感覚だったんです」
    う「なるほど〜。たけちゃんのサイトってほんまに有名なんですねぇ
    別「関西のさぬきうどん好きは、ほとんどの人が知っていると思いますよ」
    たけ「別府さんのサイトこそ有名ですけどね」
    別「いやいや、そんなことはないです」

    どうやらこの2人、趣味で運営しているサイトがネット上で有名になったのがそもそもの始まりらしい。
    香川に行ってうどんを食べるときは別府さんのサイト、関西でうどんを食べるときはたけちゃんのサイトと住み分けされているからか、最初からライバル心などない世界なのか、今では一緒に新年会の幹事をやるほどの仲の良さである。

    釜ひろのちく玉天ぶっかけ別「たけちゃんの店に研修に来る人は、全員サイトを見てやって来てるんですよ」
    う「ネットが育てた有名店ですね〜。取材もサイトを見て、って申し込みが来るそうですね?」
    たけ「そう、そういうことが多いですね」


    そんなこんなでやっと注文。「釜ひろ」のちく玉天ぶっかけ(660円)は、やはり「釜たけ」の味とよく似ている。しっかりしていて艶っぽい麺、天ぷらを乗せる角度。本家とちがって薬味は別添えになっているが、ひろちゃんの性格を表しているかのような、基本に忠実なちく玉天ぶっかけだ。

    たけ「基本に忠実ってそんな(笑)基本なんてあってないようなもんですから」
    別「そうそう。麺の量も『釜たけ』ほど多くないですしね。それに、よ〜く観察すると、基本からひと捻りされていることがわかりますよ」
    う「ひと捻り? うーん、どこかな・・・・・・」
    ひろ「えっとですね、ちくわ天が、1回捻ってあるんです(笑)」
    ※イラスト:捻ってあるちくわの図

    えらい細かいところで独創性をだしたもんだが、そんな風にして「釜たけ」とは少しずつ違う道を歩みはじめているひろちゃんである。

    ひろ「最近はオリジナルメニューもずいぶん増えたんですよ」
    う「ほほぅ。例えばどんな?」
    釜ひろのお刺身うどんひろ「お刺身うどん(250円)というのを始めました。夜の部の、お酒のアテにいいかなと思って」
    う「それは珍しいメニューですね」
    ひろ「でも、単価は安いのに手間ばかりかかって、忙しいときはできれば注文しないで欲しい・・・・・・
    う「なんじゃそりゃ(笑)」

    このときは昼の部に訪れていたのだが、そのお刺身うどんを特別に食べさせてもらうことができた。
    ピロピロとした口あたりに、イカ刺しっぽい噛みごたえで面白い。

    忙しいときに注文したら誠実そうなひろちゃんがイライラッとする姿が見られるかもしれませんが、やめてあげてね(笑)
    | 大阪でさぬきうどん | 00:21 | comments(0) | trackbacks(2) | - | - |
    元祖ちく玉天ぶっかけ・釜たけうどん
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      釜たけ外観別「まずは手始めに数軒、うどん屋めぐりをしてみますか」
      う「よろしくお願いしまっす、うどんプロフェッサー!」

      新年会から約1ヵ月後、1軒目に別府さんと訪れたのは難波千日前にあるたけちゃんの店『釜たけうどん』。なんばグランド花月を過ぎて、道具屋筋をちょっと入ったところにある。

      う「えっ、ここって」
      別「そう、肉うどんで有名な『千とせ』の斜め向かいなんですよ。チャレンジャーでしょ、たけちゃんてば(笑)」

      たまたま「これだ!」と思った物件がその場所だったということらしいが、大阪うどんの老舗『千とせ』の目の前に素人がさぬきうどんの店をオープンするなんて、と当初マニア仲間たちからは心配の声があがったらしい。
      ところがどっこい、この日も釜たけうどんは大繁盛で店の前に行列ができていた。

      別「本当にどうなることかと思ったんですが、雑誌やテレビなんかのメディアに取り上げられた影響もあって今では一躍有名店の仲間入りをしています。“さぬきうどん”と聞いて一般的にイメージするのは太くてゴツい麺だと思いますが、たけちゃんの作る麺は実のところ香川でも珍しいくらいの太さですね。食感としては、弾力のあるコシが持ち味かな



      しばらく行列に並んで席についたが、たけちゃんは厨房の中でものすごく忙しそうだったので挨拶もそこそこに注文することにした。

      釜たけのちく玉天ぶっかけう「何を頼めばいいですかね」
      別「 ここは躊躇なく『ちく玉天ぶっかけ(680円)』で。香川ではメジャーなトッピングのちくわの天ぷらと半熟玉子の天ぷらを組み合わせて、ひとつのメニューとして名前をつけたのは私が知っている限りたけちゃんが初めてです。画期的と言っていいでしょう
      う「それって画期的・・・・・・なんですか?」
      別「ええ、香川ではちくわ天や半熟玉子天はあくまで単品のトッピング扱いで、メニュー化しようなんて思いつかないですから」
      う「そんなもんですかねぇ」

      よくわからんがその世界の中では結構すごいことらしい。それを証拠に、現在関西のさぬきうどん屋では『ちく玉天ぶっかけ』を出す店が爆発的に増えているのだ。
      実はたけちゃん自身が100円ショップで見つけた「半熟玉子が簡単に剥ける形状のスプーン」を持って、あちこちのうどん屋を訪ねてはメニュー化を勧めているからに他ならないのだが。

      別「半熟玉子は剥くのが難しいので出している店があまりなかったんですが、たけちゃんの見つけたスプーンのおかげですっかり関西のさぬきうどん屋では定着しましたね」
      う「なんで自分の見つけた道具と開発したメニューを教えてまわるんですか!?」
      別「う〜ん、元々がただのさぬきうどん好きだからじゃないですか」
      ※イラスト:ちく玉天ぶっかけ普及キャンペーン実施中(たけちゃんがスプーンを持って笑っている図)


      あかん。やっぱりよくわからん。とりあえず、たけちゃんは普通の料理人とはちと違う、ということだけは確かなようだ。ちく玉天ぶっかけの件だけではなく、粉の配合から、果ては原価率やら店の収支まで(!)他の店で喋ってきてしまうという。相談されれば他の店のメニュー開発も一緒になってやるらしい。

      別「もちろん無報酬ですしねぇ。ちなみにたけちゃんは、修行したいという人にも非常にオープンです。どんどん受け入れて、自分の知っていることを全部教えて、いつでも独立OKなんですから
      う「なんですと!? いったい何のためにそんなことを?」
      別「さあ、単においしいさぬきうどん屋が増えるのがうれしいんじゃないですか」

      実際、たけちゃんは新店がオープンするたびに出掛けていって、自分のサイトで紹介している。釜たけうどんのキャッチコピーが「実験讃岐うどん研究所」というだけはある。うどん屋というよりはまさしく研究所だ。


      う「はぁ・・・・・・聞けば聞くほど不思議な人ですね」
      別「たけちゃんのところから巣立っていったお弟子さんたちが色々な場所で店をオープンしていて、どの店も独自のアレンジを加えて個性を出しているので、そのあたりもめぐってみると面白いかもしれません」

      たけちゃん自身は”修行”ではなくて”研修”と呼んでいて、決して弟子ではない、と言っているのだが、あえてそこぐらいは弟子と呼んでもいいではないか。というわけで、たけちゃんのお弟子さんの店もこの本の中でけっこう出てきます。お楽しみに。


      う「あっ、肝心のうどんのこと話すの忘れてた!」
      別「はい、まだ一言もコメントしてません(笑)ダメですよ浦谷さん、これ一応うどんの本でしたよね」
      う「うぐっ。1軒目から結構ツッコミきついっすね、別府さんてば・・・・・・」

      釜たけの大ちくわ天え〜と、気を取り直して。
      『釜たけうどん』の麺は、とにかく太い! どのくらい太いかというと、決して上品ぶっているわけではなさそうな女性客の50%程度が麺を1本ずつ食べているくらい。残りの50%は2本ずつ。表面がムニュッとしていてなかなか噛み切れない粘りとコシと弾力があるので、もし3本ほど一気に口に入れちゃった場合はしばらく会話不能になる。

      う「別府さんみたいに噛まずに麺をそのまま飲み込める人は3本入れても大丈夫です」
      別「噛んでますよ! たまにですけど」

      それから、量が多いのでうどんだけでおなかいっぱいになる!
      別「では解説いたしましょう。香川だと小1玉200g程度が普通なんですが、関西の場合は平均240g程度。それに比較して『釜たけ』のぶっかけ類は400g、生醤油うどんになると大体500gですから、かなり多いです」

      さらに。大ちくわ天(200円)はびっくりサイズで食べごたえ満点。ぷっりぷりのウマウマで追加注文に最適です。
      う「こんなもんでいいでしょうか、プロフェッサー」
      別「あ、あと、日によって麺の太さや食感がずいぶん変わるのでお気をつけて」
      う「だそうです〜」
      | 大阪でさぬきうどん | 20:21 | comments(0) | trackbacks(1) | - | - |
      目からウロコのさぬき直系細麺・うどん棒
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        別「浦谷さんは、香川にある『うどん棒本店』という店を知っていますか?」
        う「マップを描いたことはあるけど行ったことないです」
        別「そりゃまた、イラストレーターですねぇ(笑)じゃあ食べたことはないんですね。今から行く店は、そこの息子さんがやっている店なんです。本店とほぼ同じ麺が食べられるんですが、ちょっと驚いてもらえると思いますよ
        う「ほほーぅ。そいつは楽しみです」


        うどん棒の生じょう油うどん別「こんにちは〜」
        大将「あっ、毎度! いらっしゃいませー!」
        ※イラスト:大将

        ちょっぴり甘いマスクのイケメン大将が元気に出迎えてくれる。
        ひとしきり別府さんと大将が最近のうどん屋事情について話した後、言われるがままにおすすめの生じょう油うどん(450円)と細切りざるうどん(550円)、穴子入りいなり寿司(300円)を注文した。

        ゆであがるのをしばし待って運ばれてきたうどんはツヤツヤピカピカ、そして・・・・・・。
        う「えっ、何これ、めちゃくちゃ細いですやん! ほんまに香川の本店と同じ麺なんですか?」
        別「あはは、期待どおりに驚いてくれましたね(笑)そうなんです、さぬきうどんというと太い麺ばかりクローズアップされがちなんですが、こういう麺もあるんですよ

        細くてもちゃんとコシがあって、瑞々しいのびやかさ。麺に水分が多い気がする。ものすごく食べやすい。

        うどん棒の細切りざるうどんう「うわぁ、おいし〜い! なんか意外ですけど、これもさぬきうどんなんですねぇ」
        別「ここのはね、ある意味特別なんです。普通はこれだけのびやかな麺だと、多加水麺(たかすいめん)といって製麺時に水を多く配合しているはずなんですが、うどん棒の麺は多加水じゃないんですよ」
        う「どういうことですか?」
        別「それが、よくわからないんですよね」
        う「はい?」
        別「大将に聞いてみてください」

        大将「ははは。よく聞かれるんですけどね、僕にもよくわからないんですよ。小さい頃からうどんはこういう風に打つんだって教えられて、その通りやっているだけで。どうしてこういう麺になるのかなんて考えたこともなかったから。配合的に言うと多加水じゃないみたいですね」

        なめらかでのびやかな麺を作る多加水は最近のブームみたいなもので、昔の香川ではそんな打ち方をする店はなかったらしい。ということは、大将の作る麺は親父さんから受け継いだマジックみたいなものか。ついでに言うといなり寿司も穴子の風味がふんわり漂ってたまらなくウマイのだ。

        定休日の日曜になると香川の本店を手伝いに帰っているという大将の“DNAで打つうどん”、超有名店『梅田はがくれ』のそばだけに見落としがちだが、大阪のド真ん中で食べられるのはとってもシアワセなのである。
        ※お客さんが作ってくれたうどん棒キャラ

        | 大阪でさぬきうどん | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
        がっつり定食系カレーうどん・三ツ島更科
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          三ツ島更科のつるたまう「更科(さらしな)と言えば蕎麦ですやん」
          別「はい、そう来ると思いました」
          う「蕎麦屋にうどんを食べに行くんですか」
          別「というか、創作カレーうどんを」
          う「さぬきうどんの本なのに蕎麦屋にカレーうどんを食べに行くんですか!」
          別「浦谷さん、関西におけるさぬきうどん屋の定義って何でしょうかね」
          う「えっ! いきなりそんな核心をつく疑問を投げかけられても」

          別「その店が何屋であるかなんて所詮、うどんに添えられたネギが何ミリに小口切りにされているかと同じくらい瑣末な問題なのではないでしょうか・・・・・・」

          う「別府さん、今日はえらく深いっすね・・・・・・」


          遠い目をした別府さんにケムに巻かれたまま連れていかれた三ツ島更科。看板には「手打」と一言だけで「蕎麦」とも「うどん」とも書かれていないが、うどんののぼりはあちこちに立っていた。
          店の外観を眺め回してみると、一番大きく扱われている文字は「お食事処」である。「さぬき」の文字は皆無。
          でもそんなことはきっと、ぶっかけに添えられたすだちやレモンに種が何粒入っているかと同じくらい瑣末なことなので気にしない。


          別「こんちはー」
          大将「おっ、わっはっは〜、別府さんいらっしゃい」
          う「あれ? 大将、どこかで見たことある・・・・・・スキンヘッドで大柄な体格・・・・・・あっ! もしかしてさらボン父!?」

          最近、取材に行くためにインターネットで関西のさぬきうどん関連情報を調べることが多いのだが、あちこちのブログに出没する「さらボン父」というペンネームのうどん屋の大将にそっくりだったのだ。

          別「おや、浦谷さんも結構くわしくなってきましたねぇ。そうです、『今度、生まれてきたら、饂飩屋なんかせぇへんどー!!』と自身のブログで言い放っているさらボン父さんの店だったんです」
          う「ということは、ここは紛れもなくうどん屋ですね」
          別「はい、大将が『わしはさぬきうどんを作っている』と言っているのですから、この店はさぬきうどん屋でいいのではないかと思われます」

          さらボン父「うちは一応蕎麦も置いとるぞ」
          別「はい? なんで??」
          さらボン父「更科やからな」
          う「なんちゅう理由ですか」
          別「でも、メニューに蕎麦なんて載ってないですよね」
          さらボン父「たまに蕎麦屋と間違えた客が注文しよるから用意はしとるが、うちうどん屋やし、あんまり注文してほしないんや」
          う「矛盾を矛盾で上塗りしてますね。矛盾のパラドックスだ(笑)」
          さらボン父「せっかく蕎麦食いたいと思って入ってきはったのに、うどんしか置いてないと悪いやろー。わしええ人やからな」

          そう言ってニヤッと笑うさらボン父は、目が細くて鶴瓶に似ている(と私は思う)。
          要するに一見いい人そうだが実は裏であくどいことを考えていそうな、ああいう顔なんである。
          フォローするわけではないが、私は鶴瓶師匠のファンなので決して悪気のある発言ではありません(笑)。


          それはいいとしてやっと肝心のうどんの話だが、ここは「つるたま」という、こりゃもうたまらんボリュームの山かけカレーうどん(小ごはん付き、810円)が名物で、多いときには注文の約8割がこれらしい。
          とろろでヌルヌルした麺にいい感じのスパイス加減で、ごはんがめっぽううまい。がっつり夢中で食べさせる定食系うどんである。
          数軒ハシゴしようと思っている場合は注文しない方がいいが、この店は何を頼んでもけっこうな量なので、うどんツアーの1軒に組み込むこと自体間違いかもしれない。
          ちなみにスタッフ数人でちくちく手作りしたというチェック柄の布製エプロンは持って帰っちゃダメです。

          他にも「コロッケじゃガレーうどん」やら季節限定の創作メニューがわんさかある中、ちく玉天生醤油(780円)を発見!

          三ツ島更科のちく玉天ぶっかけう「おおっ、ここにもたけちゃんメニューが!」
          さらボン父「うちはちくわ天もたけちゃんとこと同じビッグサイズやでー」
          う「やっぱり知り合いなんですね」
          さらボン父「そりゃたけちゃんは有名やからな。別府さんとたけちゃんのおかげで、いろんなうどん屋と交流できるようになったからありがたいと思っとるんや。新年会で知り合った近所のうどん屋と最近ちょくちょく飲んどるしなー」
          別「あ、あのあとも交流してるんですね」
          さらボン父「おう、こないだは4人で『第5回うどん新年会』やったんや」
          別「って、もう5月ですよ」
          さらボン父「ええねんええねん、おもろかったら。しかしあれやな、踊るうどんの高田くんの麺はちょっと憧れるな。わしもあんな麺が打ってみたいわ」

          ここのところ粉の調子が悪く、思い通りの麺が打てないと嘆いているさらボン父だったが、そんな嘆きをよそにちく玉天生醤油の麺はとても美しく、しっとりしていながら歯ごたえと食べごたえがあった。高田くんのマッサージ麺とはあきらかに違う方向に向かっている満足感である。

          う「で、やっぱりうどん屋さんたちが集まる飲み会ってうどんの話が多いんですか。粉の配合についてとか」
          さらボン父「まさか、うどんの話なんか滅多にせえへん。バカ話ばっかりやがな」

          | 大阪でさぬきうどん | 01:20 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
          口中快感マッサージ麺!・踊るうどん
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            踊るうどん外観
            別「大将が目指すうどんをそのまま店名にしたそうですよ」
            う「踊るんですか、店名どおりに」
            別「うん、方向性は非常にわかる麺です」

            京阪電車に揺られながらそんな話を聞いているうちに、どんどんおなかが空いてきた。
            滝井駅前にある店に着くころには期待満々、これでおいしくなかった暁にはどうしてくれようかという勢いである。

            残念なことにこんな風になってしまっているときは、何を食べてもそれほどおいしいと感じないものだ。
            期待感が高すぎてちょっとやそっとじゃ感動できない。
            逆に「まぁ普通」などと、どうでもよさそうなコメントを聞いていた場合の方が「おいしい」と思う確率が高いように思う。
            おいしいと思いながら「あのコメントのせいやな」と本人が自覚している。

            かように、人間の味覚なんていい加減なものだと言っているわけですな。
            う「そんないい加減な舌を持った人間が紹介するうどん本です」
            別「いい加減でも2人いるのでちょっとは信憑性があります」
            う「別府さんは否定してください!」

            なぜかこの店、天ぷら類が「まいたけ天」しかない。かきあげとかちくわとかかぼちゃとかよくある素材は何ひとつなく、まいたけオンリーである。人気メニューはまいたけ天ぶっかけ(630円)。

            う「大将、なんでまいたけなんですか?」
            大将「だっておいしいでしょ? 僕が好きやから」
            う「・・・・・・それだけ?」
            大将「ええ、それだけ」

            注文してからゆでる大将の様子を見ていた別府さんが驚きの声をあげた。
            別「麺ながっ! 見てください、釜から出す麺が大将の腕の長さよりだいぶ長いですよ」
            振り返って厨房を覗いてみたら、たしかに大将が背伸びをせんばかりの体勢で麺を釜から出しているところだった。

            まいたけ天ぶっかけ


            数分後に出てきたまいたけ天ぶっかけは、あんなに長いのに美しく盛り付けされた麺に透明感があり、いきいきと輝いて見える。はっきり言ってめちゃくちゃおいしそうである。






            にゅるにゅるにゅるっ、もにゅっ、むにっ。おほっほっほっ!!


            「踊る」とまでは言わないが、麺が伸びる伸びる。うどんで口の中をマッサージしているがごとく気持ちいい。感触の良さだけで軽く1杯平らげてしまいそうだ。

            う「別府さん」
            別「はい」
            う「おいしいと気持ちいいって同義語やったんですね・・・・・・」
            別「前フリに反して、思いっきり感動してるじゃないですか(笑)」


            サラリーマンを辞めて思いつきのようなスピードで店をオープンしてしまった、コーネリアスを聴きながらマンガを読んでいそうな風貌の若き大将・高田くんのうどんは、さぬきうどんと言っていいのかどうか定かではない。だが、ひとりで理想の麺を目指して研究することでここまですごいものができてしまうのだ。

            別「高田くんの合意が得られずとも、これはさぬきうどんと言ってしまいましょう」

            ※イラスト:大将

            | 大阪でさぬきうどん | 22:11 | comments(5) | trackbacks(2) | - | - |